2013 Fiscal Year Annual Research Report
Pseudo-Haptics効果を利用した視触力覚ディスプレイの実現
Project/Area Number |
13J08608
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伴 祐樹 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視触覚感相互作用 / Pseudo-Haptics / 視触力覚ディスプレイ / Virtual Reality |
Research Abstract |
本研究の目的は、Psueo-Hapticsをはじめとする視触覚間相互作用を触力覚提示システムに応用し、疑似触力覚提示と物理的提示を融合した視触力覚ディスプレイを構築することである。本研究は(1)一般的な触覚体験を可能にするための形状基本要素の割り出しとその統合手法の検討、(2)接触方法の定義と各要素への触知覚操作効果の定量化による多様な触り方への対応検討、(3)両者を統合することによる視触力覚ディスプレイの構築・評価からなる。本年度はA. (1)における各形状要素に対する知覚操作手法の統合と、B. (2)の多様な接触方法のうち、任意点接触における視触力覚生成手法の構築を行った。 A.については、形状変形して微小な突起を提示可能な形状要素提示デバイスを制作し、これまで構築してきた曲面曲率、角面の位置・角度、物体の大きさという各形状特徴に対する知覚操作手法を統合して、提示したい形状に応じデバイス上の突起の有無および手の動きの空間変調量を変化させることで、非連続面を含むような複雑多様な形状を提示できるか検証した。結果、本手法により、連続面・非連続面の切り替え提示が可能であり、従来研究で得た各要素に対する触知覚操作の限界性能範囲内であれば、それらを組み合わせた場合にも約80%の割合で狙いとする形状を提示できることが明らかになった。また、本手法により把持物体の柔らかさ知覚や、重量知覚を操作できることを明らかにし、背面タッチディスプレイへの応用により、モバイル端末における視触覚フィードバックを簡潔に生起できることを示した。 B.では、タブレット端末越しに自由な視点から簡易な形状要素提示デバイスを鑑賞しながら触ると、多様な形状のバーチャル物体を触っている感覚を生起可能なモバイル型形状提示システムを実現した。動作確認を行った結果、処理速度は平均17.5fpsであり、被験者全員から、視点位置の移動の有無にかかわらず視覚提示された形状を触っていると感じたとの回答を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)各形状要素に対する知覚操作手法の統合、(B)任意視点視触覚生成技術の各要素技術に関して当初目標とした性能を達成する技術を開発でき、またそれらを統合したモバイル型形状提示システムにおいても、当初目標とした性能を達成している。そしてこれらを通じ、視覚触覚間の感覚間相互作用を利用した形状提示システムの実現可能性と有用性を示すことができたため上記の評価をつけた。加えて本手法を応用することで, 把持物体の柔らかさ知覚や、重量知覚を操作でき、背面タッチディスプレイへの応用により、モバイル端末における視触覚フィードバックを付加できることを明らかにする等, 当初の想定以上の成果をあげることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究開発により, 形状知覚操作手法の組み合わせによっては触知覚操作率が低下してしまうこと、物体によって手の一部が遮蔽されてしまったときに正しい触知覚を提示できなくなること等、新たな課題が確認されたため, 今後これらの解決にとりくむ. また, これまでの実験により, 指一本でのなぞり動作, 母指と示指を用いた掴み動作に対して形状知覚操作が可能であることを示したが, 目標とするシステムの実現にあたっては, 手のひらでなぞる, 複数指でつかむ等より多様な接触方法に対応する必要がある, これらの課題に対しては, 距離カメラを用いて深度画像を取得し, そこから手の形状を推定することで, 物体との接触点, 接触方法を推定することで適切な視覚フィードバック映像を生成することを目指す.
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Research Products
(9 results)