2014 Fiscal Year Annual Research Report
Pseudo-Haptics効果を利用した視触力覚ディスプレイの実現
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13J08608
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伴 祐樹 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 形状提示 / 視触覚間相互作用 / クロスモーダル / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Psueo-Hapticsをはじめとする視覚触覚間相互作用を触力覚提示システムに応用し、疑似触力覚提示と物理的提示を融合した視触力覚ディスプレイを構築することである。本研究は(1) 一般的な触覚体験を可能にするため形状基本要素の割り出しとその統合手法の検討、(2) 接触方法の定義と各要素に関する相互効果の定量化による多様な触り方への対応検討、(3) (1)(2)を統合することによる視触力覚システムの構築・評価からなる。本年度は主に(1)における動的な触要素に対応可能な知覚操作手法の構築<A-1>と形状要素提示デバイスの改良<A-2>、(2)における多様な接触方法のうち、手領域抽出手法の改良による任意背景・多様な接触方法への対応<B>を行った。 <A-1>については、これまでに知覚操作対象としてきた形状基本要素に関して、体験者がバーチャル物体の形状を動的に変形させた際にも視覚フィードバックの効果が適切に表れるかを検証し、物体の硬さについても知覚操作可能であることを確認した。 <A-2>については、昨年度制作した機構を改良し、一つの円筒形物体表面上に二つの微小角面を提示できる形状要素提示装置を構築した。本デバイスを利用し、バーチャル物体表面形状における連続面の曲率や傾き、非連続形状の配置位置、角度、配置数の組み合わせを様々に変化させて、それに応じて視覚提示する手の動きを空間変調させることで、70%の割合で複雑形状に関しても知覚操作が可能なことが明らかになった。 <B>では、既存手法における利用環境や接触方法に関する制約を取り払うために、深度画像センサを併用することにより手領域を抽出し、物体表面との位置関係から接触している指先位置を推定する手法を構築した。本手法を、昨年度構築したリアルタイム歪みマップ生成手法と合成し、よりロバストな自由視点形状提示システムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述のように、(1) 一般的な触覚体験を可能にするため形状基本要素の割り出しとその統合手法の検討、(2) 接触方法の定義と各要素に関する相互効果の定量化による多様な触り方への対応検討の双方に対して、当初目標とした性能を達成する技術を開発できた。特に(1)に関しては動的な触要素の提示という、研究開発当時は想定していなかった手法を構築できたという点で、期待以上の成果が得られていると考えている。 さらには、これらの研究開発や展示・ワークショップ等での研究成果の利活用、広報活動等を通じ、視触覚間相互作用を利用した形状提示システムの有用性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は(1)にて開発した動的触要素の提示手法のさらなる拡充と、(3) (1)(2)を統合することによる視触力覚システムの構築・評価に特に注力して研究開発を進める。前者については、本手法を生かし、平成26 年度までに開発した技術をくみあわせて導入することによって、モデリングシステムの開発を進める。 後者に関しては、これまで開発してきた多様な触り方への対応手法と多様な形状提示手法を組み合わせることで、形状提示システムを構築する。その際生じうる、空間的な整合性の担保やオクルージョン等の問題解決に努める。具体的には、平成26 年度に構築した、深度画像からの歪みマップ生成手法を改良し、指同士、指と物体同士の三次元的な位置関係を考慮した歪みマップ生成手法を構築することで、空間的に整合性のとれた視覚フィードバックが生成できるようになると考えられる。
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Research Products
(12 results)