2013 Fiscal Year Annual Research Report
光電融合へ向けたシリコン基板上新規蛍光体光源の創生に関する研究
Project/Area Number |
13J08736
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
七井 靖 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 硫化物蛍光体 / シリコン墓板上光源 / シリコンフォトニクス / エネルギー移動 / 希土類 / PL / EL |
Research Abstract |
本研究はシリコン基板上光源への蛍光体応用を目指したものである。希土類イオンを発光中心として添加した蛍光体は添加するイオンの種類によって容易に発光波長の制御ができる。その発光波長選択性の高さを生かして、幅広い発光波長域に対応した光源が創生できると考えられる。本研究で用いる材料として、低温作製可能なシリコンと硫黄を組成に含むチオシリケート蛍光体を選択し、シリコン基板上への蛍光体層形成および新規蛍光体探索を行う。 当該年度においては、シリコンを組成に含む新規蛍光体材料の探索を行い、粉末試料を作製した。具体的には蛍光体母体結晶として有用な希土類チオシリケートの探索を行い、単斜晶系Gd_4 (SiS_4)_3、Y_4 (SiS_4)_3および三斜晶系La_6Si_4S_17結晶を見出した。特にY_4 (SiS_4) 3とLa_6Si_4S_17はこれまでに報告のない新規結晶であり、Gd_4 (SiS_4)_3またはCe_6Si_4S_17を元に適切な元素置換を行うことで得られた。 これら3種類の母体結晶に3価のセリウム(Ce)を添加し近紫外線を照射したところ、いずれの試料でも可視発光が兇られた。特に(Gd, Ce)_4 (SiS_4)_3および(y, Ce)_4 (SiS_4)_3蛍光体は単相試料粉末の作製法を確立した。内部量子効率の最大値は、前者で39%(Ce濃度10%、発光ピーク波長595nm)、後者で62%(Ce濃度15%、発光ピーク波長575nm)と高く、この値は蒸留水浸漬前後で変化しなかったことから高い耐水性を有していると考えられる。また、これらは間接励起過程により結晶中に添加した発光中心を効率よく励起できることも明らかになり、多くの希土類元素を効率よく励起するための母体結品としても期待できる。La_6Si_4S_17は単相試料粉末の作製が困難であったが、結晶内のLaの一部をYで置換することによって単相試料粉末を容易に得られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3種類の新しいチオシリケート母体結晶の探索とそれを用いた蛍光体作製法の確立に成功しており、予定通り研究を遂行できていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた蛍光体母体結晶粉末のさらなる発光波長制御を行い、可視光城から近赤外光域で発光する蛍光体粉末を作製し、結晶構造および光励起時の発光特性を評価する。その結果を元に高効率に発光する蛍光体を作製する。また、それら蛍光体のシリコン基板上への形成を試みる。
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