2013 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセルゲノム解析を活用した難培養性嫌気的メタン酸化アーキアの分離・培養
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13J08869
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
青木 仁孝 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 嫌気的メタン酸化 / アーキア / 分離・培養 |
Research Abstract |
海底環境において生成される莫大な量のメタンは、嫌気的メタン酸化反応により、堆積物中の嫌気的な環境でその多くが分解されていることか知られている。その反応は、ANaerobic MEthanotroph (ANME)やその他の未培養アーキアが関与していることが指摘されているが、これらのアーキアは典型的な難培養性微生物であり、これまでに純粋分離株の報告はない。本研究では、嫌気的メタン酸化反応を行うと推定される難培養性未培養アーキアの分離・培養を行うため、大きく分けて2つの実験を昨年度までに実施した。(1)未培養アーキアを効率的に分離・培養するために必要なゲノム情報の獲得のために、FISH法を利用した1細胞でのアーキア細胞の回収を試みた。サンプルには、バイオリアクター内で活性化させたメタン湧水域の深海底堆積物サンプルを使用した。蛍光物質を標識したFISHプローブ由来の蛍光と細胞の内部構造を反映する側方散乱光に基づき、アーキア細胞と考えられるものをフローサイトメーターにより分取を行った。回収された細胞由来の16SrRNA遺伝子配列をPCR法により増幅・決定したところ、ユーリアーキオータ門に属すると考えられる未培養アーキアが回収されている可能性が示唆された。(2)バイオリアクターから回収したサンプルを植種源として使用し、難培養性アーキアのさらなる集積をバッチ式培養法により試みた。アーキアを選択的に培養するための条件の1つとして、多くのアーキアに効果が無いと考えられる抗生物質を培地添加する等の工夫も施した。これまでのところ、いくつかの培養系において微生物細胞の増殖を確認できたが、アーキアが選択的に培養できているかに関しては、まだ確認ができていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未培養アーキアがバッチ式培養法により選択的に培養できているかどうかはまだ確認ができていないが、アーキアの代謝情報を取得するために必要なゲノムDNAの回収までは完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム解析と平行してバッチ式培養法等によるアーキアの分離・培養作業を継続して行う。分離・培養作業では、アーキアの増殖を16SrRNA遺伝子に基づいたクローン解析、FISH法等によりモニタリングすることで、より高効率な培養条件の絞り込みを行う予定である。
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Research Products
(1 results)