2013 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア・アブラヤシ生産地域におけるポリティカル・エコロジー研究
Project/Area Number |
13J08921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺内 大左 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アブラヤシ / 生計戦略 / 地域住民 / 東カリマンタン / スマトラ |
Research Abstract |
インドネシアでは大規模な熱帯林減少、地域住民の生活の改変を引き起こすアブラヤシ農園開発が急速に進められている。研究の目的は、大規模アブラヤシ農園開発・生産に対する地域住民の生計戦略とマクロな政治経済環境との相互連関を明らかにし、現行の農園開発政策に政策提言するというものである。調査対象地は、大規模アブラヤシ農園開発が計画されている地域の代表として東カリマンタン州西クタイ県を、アブラヤシ農園開発先進地域の代表としてスマトラ島リアウ州と東カリマンタン州パセール県を選定している。 平成25年度の研究として、1)地域住民の生計戦略を把握するための調査方法を考案すること、2)東カリマンタン州西クタイ県における焼畑民の生計戦略の把握すること、3)スマトラ島リアウ州で1ヶ月間の現地調査を行うこと、を計画していた。 この研究計画に基づいて、東カリマンタン州西クタイ県における今までの調査結果と文献レビューを通して、焼畑民の生計戦略を捉える概念枠組みを策定した。そして、その概念枠組みに基づいて大規模アブラヤシ農園開発計画に直面した西クタイ県の焼畑民の生計戦略を把握することを試みた。結果、焼畑民はアブラヤシ農園開発だけでなく、その他の政府事業や石炭開発でさえも、リスクを回避しながら部分的に導入し、自然資源利用を多様化させていることが明らかになった。両義的な不確実性を有する生活環境の中で、「生活の融通(状況に応じて多様な生産・消費活動の選択が可能な状態)」を確保することによって、収益性の向上も、自給・収入の安定も、生活における安心・満足(社会的リスクの忌避、自律性の確保など)をも同時に達成するという生計戦略を実践していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の当初の研究計画では、スマトラ島における1ヶ月間の現地調査を行う予定でいた。しかし、研究の遂行が遅れてしまったので、行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画通りに推進していく。ただし、平成26年度の研究ではスマトラ島での1ヶ月間の現地調査を行うことが出来なかった。その遅れを取り戻すため、平成27年度においては効率的に現地調査を行えるように、日本における事前の情報収集を充実させるようにする。
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Research Products
(2 results)