2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管再構築機序解明に向けた単一細胞評価システムの開発
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13J08963
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梨本 裕司 東北大学, 大学院環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単一細胞解析 / 走査型プローブ顕微鏡 / RT-qPCR / vWF |
Research Abstract |
成果1 : ダブルバレルカーボンプローブによる単一細胞の回収 これまで、当研究室で開発してきた単一細胞の回収法は、単層培養細胞に有効であるが、基板-探針間の電位勾配を破砕に利用しているため、高さ方向の自由度が無く立体的な組織には適用できない。そこで2電極を1本のプローブに集積し、任意の位置で電圧パルスを印可可能なプローブを検討した。ガラス管内が2つに仕切られたθ管の内面を炭素コートし、2つの炭素電極を集積化したダブルバレルカーボンプローブ(DBCP)を作製した。立体的な組織モデルとして、心筋分化を誘導したマウス胚性幹細胞塊(高さ数百μm)を作製し、細胞塊からの単一細胞内容物の回収を試みた。結果、単一細胞のみの内容物回収は困難であったが、数細胞レベルのmRNAから細胞塊中の拍動部と非拍動部で明確な違いを得ることに成功した。本内容は投稿論文として投稿し、既に掲載されている(Anal Bioanal Chem, 406, pp275. 2014.) 成果2 : 形状による蛋白質分泌の評価法の開発 ナノピペットを走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)プローブとして使用し、形状評価による細胞の蛋白質分泌挙動を評価した。SICMは、電解質溶液を充填したピペット先端のイオン電流がサンプルとの距離に依存することを利用して形状を測定する顕微鏡である。本検討では、細胞形状のタイムラプス観察により、細胞上の動態が不明であった凝固関連蛋白質ヴォンヴィレブランド因子(vWF)を評価した。結果、細胞表面に放出されるvWFをnmオーダーで観察可能であり、粒子毎の拡散挙動の不均一性を確認した。本内容は2014年春の学会にて発表済みである(電気化学会、関西大学、2014/03/29)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した単一細胞回収プローブを開発し、投稿論文として報告を行うことができ、さらに次の開発項目として、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡による凝固関連蛋白質の動態評価に関しても検討を勧め、学会発表を行うことができるレベルにまで到達することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目で開発した単一細胞回収プローブ、および走査型イオンコンダクタンス顕微鏡を融合させ、形状と細胞回収を同時に行うことができるプローブの開発を行っていく。
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Research Products
(6 results)