2014 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節支持細胞に発現するオートタキシンが免疫細胞の移動に果たす役割
Project/Area Number |
13J09108
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秦 枝里奈 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高内皮細静脈 / LPA受容体 / 免疫細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ球は全身を常に移動し、輸入リンパ管、高内皮細静脈 (HEV)を介してリンパ節内へ移動し、免疫の恒常性を維持する。私はリンパ球の移動に関する分子機構を理解し、免疫細胞の移動制御により免疫反応を調節することを目標とした。今年度は、HEVを介したリンパ球移動の分子機構を解析した。リンパ球の血管外移動は、ローリング、接着、通り抜けという多段階のステップからなり、ローリングや接着に関して多くの研究がされてきたが、通り抜けの分子機構に関しては不明な点が多かった。私が属する研究室の先行研究では、HEVにはリゾホスファチジン酸(LPA)産生酵素であるオートタキシン(ATX)が発現すること、ATXはHEVを介したリンパ球の通り抜けを正に制御することなどが示されてきた。そこで、私はLPA受容体がリンパ球の血管外移動に与える影響を解析した。まず、HEV内皮細胞を精製・単離し、LPA受容体発現を解析した。その結果、LPA4, LPA6の発現を確認した。LPA4, LPA6 KOマウスのリンパ節を解析したところ、基本的な構築には異常はなかったが、HEV内皮細胞層にリンパ球集積が見られた。これらのLPA受容体KOマウスにおいて、GFP陽性WTリンパ球を静脈内投与し、ドナーリンパ球のリンパ節への移動度を解析したところ、LPA4 KOマウスではリンパ球の移動が野生型マウス(WT)に比べて抑制されていたが、LPA6 KOマウスでは有意な変化は見られなかった。またLPA4 KOマウスではHEV内皮細胞層へのリンパ球集積のためにHEVが有意に肥大していた。以上より、LPA4を介したシグナルがリンパ球のHEV内皮細胞層の通過を正に制御していることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)