2013 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴヌクレオチドを用いた新規遺伝子発現制御法の開発
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13J09123
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
草野 修平 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / アミノグリコシド / ナンセンス変異 / リードスルー |
Research Abstract |
アミノグリコシド-オリゴヌクレオチド(AG-ON)複合型分子によるPremature Stop Codon (PSC)選択的なリードスルー法の構築を目指し、①AG-ON複合型分子の合成法の確立②in vitroにおけるAG-ON複合型分子のリードスルー活性評価について検討を行った。 1. ONユニットへのAGユニットの導入は、官能基受容性の高いHuisgen [3+2]cyclo addition反応を用いることとした。まず、市販のG418およびパロモマイシンを出発原料として、数ステップの変換反応を経ることで、リンカーとしてエチレングリコール鎖を介してアジド基を導入したG418およびパロモマイシン誘導体の合成に成功した。合成したアジド基を持つAG誘導体と別途合成した5'位にアルキンを持つONとのHuisgen [3+2]cyclo addition反応により、目的とするAG-ON複合型分子の合成に成功した。 2. リードスルー活性評価は、AG-ON複合型分子とPSCを導入したmRNAを細胞抽出液中(細胞外翻訳系)で混合し、in vitro翻訳後、そのルシフェラーゼ活性を測定することで行った。その結果、AG部位にパロモマイシンを導入したAG-ON複合型分子はほとんどリードスルー活性を示さなかったが、G418を導入した分子は、若干ではあるがリードスルー活性を示すことが明らかとなった。さらに、今回合成したAG-ON複合型分子は、アジド基を持つG418誘導体単体よりも低濃度でリードスルー活性を示したことから、当初期待した分子設計通り、ONによりAGがPSC近傍に誘導され、効果的にリードスルーを誘起しているものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AG-ON複合型分子の合成に関して、効率的な合成法の確立に成功し、目的とする二種類のAG-ON複合型分子の合成に成功した。合成したうちの一つの分子は、活性は低いながらも当初期待した分子設計通りリードスルー活性を示すという、本研究課題を遂行する上で重要な結果も得られた。以上の点から、今年度は期待通り研究が進展したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに合成に成功したリードスルー活性を示すAG-ON複合型分子の分子構造に基づき、来年度は、G418の分子構造、mRNA上のONの結合位置、AGとONを結ぶスペーサー長の最適化を行い、高いリードスルー活性を示すAG-ON複合型分子の合成を目指す予定である。
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Research Products
(6 results)