2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J09247
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
深谷 弘和 立命館大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会福祉施設 / メンタルヘルス / フィールドワーク / 知的障害児入所施設 |
Research Abstract |
本研究は、社会福祉支援実践における専門性を職員集団のあり方から検討し、福祉ニーズを持つ人と共に職員が発達し、主体形成していくことを検討していく中で、より質の高い新たな支援実践の枠組みを理論化することを目的としている。平成25年度交付申請書では大きく3点の研究を設定した。 まず1点目は、平成25年2月に実施した全国の社会福祉施設へのアンケート調査の分析である。アンケートでは、各事業所の責任者に職員のメンタルヘルスの把握状況、会議、研修などの実態、管理者の職場状況への意識を回答してもらい、分析をおこなった。分析の結果、全国的には職員のメンタルヘルスが管理者によって把握されていない実態が明らかとなった。これらの結果については、日本社会福祉学会で報告し、調査報告書をまとめた。 2点目は、社会福祉施設の職員集団の実態を明らかにするためのフィールドワーク調査とその分析である。NPO法人大阪障害者センターがおこなっている「施設実践支援事業」に加わり、各施設を訪問した。平成25年8月には、関西圏にある知的障害児入所施設に1ヶ月間入り、職場の実態や職員へのインタビューをおこない、得られたデータは、分析をおこなった。分析からは職員集団の状態と共に、虐待事例の増加などの地域社会の変容が大きく影響していることが明らかとなり、これらの分析結果は関西社会福祉学会で報告をおこなった。 3点目は、海外の社会福祉施設の実態を把握するために10月28日から11月4日までイタリア調査をおこなった。イタリアでは、社会的協同組合をはじめとして福祉供給体が多様化しており、そこに従事する職員の実態もさまざまなであった。本調査をまとめた報告書は5月に発行予定である。 平成25年度は、交付申請書以外でも社会福祉施設における若手職員の実態を分析する視点を得るため、困難を有する子ども・若者に関する調査研究などをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に設定した研究課題はおおむね順調に進展している。設定した3点の研究課題のうち2点で学会報告をおこなっている。また研究成果を調査報告書としてまとめている。その他にも、社会福祉施設への訪問、学習会や研究会への参加を通じて、職員集団をはじめとする実態の把握をおこなってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方法としては、まず、平成25年度に得られたデータを元にして、学会誌等への投稿論文を執筆することである。学会報告をおこなった日本社会福祉学会、関西社会福祉学会のそれぞれの雑誌への投稿をおこなっていく。さらに、これまでにおこなってきた社会福祉施設への訪問などで知り合った職員へのインタビュー調査をおこない、さらなるデータの蓄積をおこない、分析をすすめていく。
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Research Products
(7 results)