2014 Fiscal Year Annual Research Report
火山透視技術の高度化ー宇宙線・重力観測の連携による3次元イメージング
Project/Area Number |
13J09317
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 竜一 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 火山 / 宇宙線ミューオンラジオグラフィー / 重力 / 密度構造探査 / 原子核乾板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、宇宙線ミューオンを用いたレントゲン撮影(ミューオグラフィー)と、重力探査情報を組み合わせて火山の内部密度構造を3次元的に解き明かす観測手法の開発に取り組んだ。具体的な成果を以下に述べる。 まずは、原子核乾板を用いたミューオグラフィーの高精度化に成功した。これまでのミューオグラフィーには、①ミューオン以外の荷電粒子が混入することによる背景ノイズが存在していたこと、②乾板の検出効率の補正が不十分であったことなどの重大な技術的問題点が存在していた。そのため、時折、ありそうもない密度値が導き出されていた。そこで、私は、乾板と乾板の間薄い鉛板を挟み込んだ「鉛積層型検出器」を用いることで、①②の問題点を解決した。北海道・昭和新山においてこの新型検出器を設置し、同火山の密度測定を行ったところ、従来方式では異常な密度2.9g/ccを示す箇所があったのに対して、新方式では地表試料の密度測定値2.3g/ccとよく整合する合理的な密度値が得られるようになった。この成果によって、乾板方式ミューオグラフィーの標準手法が確立し、同技術を精密科学のレベルに引き上げることに成功した。 さらに、この精密なミューオグラフィー観測の結果と、2011年に我々の研究グループが測定した重力異常データを組み合わせて、昭和新山の3次元的な内部密度構造の推定を行うことに成功した。その結果、表面の観察からは知り得ない、高比重の溶岩が鉛直に貫入している構造をくっきりと可視化することに成功した。 また先述の背景ノイズの問題に関して、粒子伝播のMonte Carloシミュレーションコードとして実績の高いCOSMOSとGEANT4を組み合わせて、検出器と透視対象である火山地形を計算機上で再現し、どのようなノイズ粒子が検出器に到来するか網羅的に調べる手法の開発に成功した。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)