2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J09338
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 テイテイ 東北大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 第55回比較家族史学会で報告 / 関東地域の資料調査 / 長野県の資料調査 |
Research Abstract |
①学会報告 : 香川大学幸町キャンパスで開かれた比較家族史学会第55回研究会に参加し、「近世日本の越後漁村に見られる「他所稼ぎ」と家族一人口移動と家族の構造を中心として」をテーマとして報告した。 ②資料収集と現地調査 : (1)近世日本における人口移動の実証研究を研究テーマとしているので、その事例研究である新潟県の移動人口の「受入先」としての栃木県・群馬県・茨城県の史料の総体状況を把握するために、国立国会図書館へ資料を検索し、収集した。時間の制限のため、栃木県立図書館所郷土資料目録、栃木県史料所在目録、群馬県立歴史博物館所蔵資料目録を調べ終わったが、栃木県史料所在目録(42集)、群馬県資料収集複製資料目録(第1~3集)、茨木県立歴史館編纂の史料目録の量は大きいので一部を確認しただけでした。 (2)事例研究の新潟県の移動人口が「受入先」での生活実態を明らかにするために、栃木県・群馬県・茨城県の資料調査をした。その結果、群馬県立文書館で、群馬県史収集複製史料目録を購入した。そして、群馬県立文書館、栃木県立文書館、茨城県立歴史館の文書館で越後からの奉公人に関しての歴史史料の一部(時間のため)を撮影した。 (3)指導教員の長谷部弘教授のもとで、長野県長野市川中島町今井村の資料調査を実施した。長野県で大量の宗門改帳と村政文書が発見されたので、人口分析の地域が拡大することが期待できると思っている。長野県立歴史館で、堀内家文書目録に基づき、宗門改帳を中心に撮影作業を行った。しかし、時間のため、史料を全部撮影できなかった。長野市立博物館で、小林家文書目録に基づき、宗門改帳と村政文書を中心に撮影作業を行った。宗門改帳を全部撮影したが、村政文書は1/3程度撮影した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
比較家族史学会第55回研究会に参加なされた先生方から貴重なコメントを頂き、宗門帳のデータ処理・家族世帯構造の分析、労働者移動分析の問題点を発見した。今回の学会で頂いたコメントを踏まえ、上記の報告内容を再修正することになった。 当初の計面予定通りに、関東地域および長野への調査を行った。しかし、時間が制限されたため、関東地域での調査は史料の所存状況を大まかに把握しただけで、これから引き続き何回も調査に行く必要がある。長野の調査での史料の一部だけ撮影完了し、残った史料を撮影するために、引き続き調査に行く必要はある。
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Strategy for Future Research Activity |
①2013年度の関東地域の現地調査は不十分なので、史料の残存状況を大まかに確認しただけで、2014年度も引き続き、群馬県・栃木県・茨城県へ現地調査を実施する必要がある。 ②長野県長野市今井村の宗門改帳の電子画像撮影作業を進めながら、上記の文書の画像データベースを作成する。史料を解読しながら入力し、人口分析データベースを作り、本格的な史料分析の基礎フレームを作成する。これらを踏まえた分析作業に取り込み、人口分析の地域を拡大しようと思っている。この作業に基づき、歴史人口学的分析の視点から、長野県長野市今井村の人口構成と移動を中心に、論文を一篇作成したいと考えている。
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Research Products
(1 results)