2014 Fiscal Year Annual Research Report
ALMA観測と宇宙論的理論モデルで明らかにする銀河形成
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13J09516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真喜屋 龍 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 宇宙論 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 今年度も概ね年次計画の通りに研究を実施することが出来た。今年度の研究内容は主に二つに分けられる。 まず一つ目に, 新たな宇宙論的銀河形成モデルを構築する仕事を行った。これは, すばるHSCやPSF などの最新の観測装置や, TMT といった次世代の大型望遠鏡で得られるであろう高精細かつ大規模な観測データとの比較に耐えうるようなモデルを構築すべく, 我々の持つ銀河形成モデルを大幅にアップデートしたものとなっている。モデルの開発はほぼすべて終了しており, 現在私が筆頭著者として論文にまとめているところである。この研究が完成次第, 我々はモデルを広く一般に公開する予定である。 また, 上記のモデルのさらなる発展型として, 銀河形成モデルにダスト放射機構を組み込む研究も並行して行った。この研究が完成すれば, 我々のモデルを赤外線・サブミリ波領域での観測データと直接比較することができるようになる。すでにモデルの構築はある程度完了しており, 私は新世代のサブミリ波望遠鏡であるALMAで得られた観測データとモデルとの比較を行った。 それにより, ダストに隠された宇宙の星形成史についてある程度の理解を得られつつある。今後は観測データから得られたフィードバックをもとに, モデルを更に発展させていく予定である。また, 我々のモデルのさらなる応用として, SPICAをはじめとする次世代の観測装置に対する理論予測を行った。その過程では, 観測研究者や装置開発者とも幅広く議論を行い, 私のモデルの有用性をひろく示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ研究は当初の計画通りに進んでおり、おおむね順調に進展していると言える。まず主な成果として、研究計画にある通り、ALMA や SPICA といった新世代の赤外線/電波観測装置と比較すべく、我々の持つ銀河形成モデルを赤外線/電波領域にまで拡張する研究をこれまでに行ってきた。このモデルはすでに実用的なレベルにまで完成しており、モデルを用いての観測データの理論的解釈の検討や、新たな観測提案の立案を行うなど、大きな成果をあげることが出来ている。 またそれだけでなく、上記のモデルのベースとなる宇宙論的銀河形成モデルそのものをアップデートする仕事も並行して行うことができた。これについてもすでに結果はほぼまとまっており、大きな成果をあげられたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はこれまでのところ順調に進展しており、来年度も大きな成果をあげられるだろうと考えている。 まず喫緊の課題として、昨年度までに構築した新たな銀河形成モデルについて論文にまとめる。そののち、完成したモデルをベースに、最新の観測データからもフィードバックを得ながら、さらにモデルを発展させていく予定である。すでに具体案はいくつかあり、例えば星間空間におけるダスト形成について、最近の観測から得られた新たな知見を私のモデルに適用し、宇宙全体で星間塵がいつ・どのようにして生成されてきたのかを明らかにする研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)