2014 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚及び筋の質感・機能の主要素抽出と視触覚インタフェースへの応用に関する研究
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13J09591
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 宣裕 電気通信大学, 情報システム学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / ヒューマノイドロボット / 触覚 / 人工筋肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、皮膚の質感並びに骨格筋の動作に伴って皮膚上に表れる形状・硬度の変化を、生理学的知見及び解剖学的知見に基づいて再現する筋アクチュエータ(MHD: Musculus-Haptic Display)を開発することによって、人間の特徴に近い見た目と触覚フィードバックが行える視触覚インタ フェースへ応用を図るものである。MHDの開発に関しては,人間の皮膚上で視覚と触覚の変化が生じることに着目し、筋肉特有の反射的な状態変化や痙攣等といった特有の生理現象の再現を試みることによって、ヒューマノイドの皮膚表現に係る研究等において、新たな情報提示手法を確立するための基盤を築くことを目的としている。当該年度の主な研究計画は、従来のMHDの形状・硬度制御手法に対し、新たな素材を用いることで現性を向上させるための試作機の開発を行うこと、複数の身体部位を模したヒューマノイドパーツへの実装を行うこととした。 従来のMHDは、粒子と調圧機構を設けることによって、実際の筋肉と同様に形状変化、硬度変化を生じさせることが可能であった。当該年度は、アクチュエータ内部にスチロール、ポリスチレン、シリコン、ウレタン、天然ゴム等、複数素材の粒子をそれぞれ用いた際の硬度の計測と動作の検証を行うことにより、従来MHDにおいて被験者が触れた際に不自然さを感じさせる傾向にあったテクスチャ感の問題に対して解消を図った。また、皮膚表現を実現するため、アクチュエータに流体制御機構を用いることによって、従来手法と比較して空間的により広範囲に及ぶ形状の変化と、より低硬度の触覚提示を可能とする装置の試作を行った。以上の手法に基づいて実装したMHDを用い、上半身のヒューマノイドの製作、ユーザ参加型のインタラクティブシステム開発に向けた研究に従事した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初研究計画と照らし合わせると、プロトタイプ製作に多くの時間が割かれており、提案手法の評価に関するデータ収集が充分でないと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、従来のプロトタイプ製作を通して得られた知見を基に、引き続きMHDの改良とヒューマノイドの実装を進めてゆく。ヒューマノイドの新たな身体表現を実現を目的とし、従来手法と比較してより空間的に広範囲に及ぶ形状の変化、触覚提示を可能とする筋アクチュエータ開発のため、固体、流体をはじめMHDに採用が可能な部材の検証を行ってゆく。また、生理学的知見の調査を継続することにより、人間の心理的な行動パタンに対する理解をより深め、本システムに反映させるとともに、本ヒューマノイドを用いたインタラクティブシステムを構築し、評価実験並びに対外発表や実演展示を通じて有効性と有用性を検証する。
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Research Products
(1 results)