2013 Fiscal Year Annual Research Report
音響放射圧を用いた表面硬さ分布のリアルタイム遠隔計測とその応用
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13J09627
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 正浩 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非接触計測 / 弾性計測 / 音響放射圧 / フェーズドアレイ / 触角センシング |
Research Abstract |
提案手法に基づく表面硬さ分布計測システムにおいて、計測速度と計測精度の向上を行なった。これにより、加圧により生じる変形振幅より大きな振戦を含む生体表面の表面硬さ分布を計測可能となった。 まず、計測時間を削減させるために変位測定点を回転ミラーによって走査する方法を提案した。ミラーを用いることで従来の機械ステージを用いた走査に比べ慣性が小さくなり、対象表面上1点当たりの測定時間を削減した。これまで測定時間の理論下限は変位測定点の更新時間が支配的であったが、この改良により測定対象の変形時定数というより本質的な下限がシステムの測定時間となった。 次に、計測の高精度化のため、集束超音波と変位測定点を同軸化する方法を提案した。提案手法では超音波フェーズドアレイに対し45度の角度で取り付けた透明板により超音波を反射させ、変位計レーザーはアレイに直交した位置から透明板を透過し、超音波とレーザーを同軸化している。これにより、従来の加圧と異なる角度からの変位測定で生じていた加圧点と変位測定点の不一致や、変位測定誤差の拡大が低減され、より高精度な測定が可能となった。 計測速度と計測精度の改善により、生体表面のような振動・運動する物体の計測が可能となった。本手法の応用例として、手の皮膚表面の硬さ分布を測定することで、骨格位置などの内部構造や筋収縮状態を非接触にセンシングすることが可能であることを示した。内部構造の計測法としての本手法の利点として、生体内部にほとんど透過しない超音波を用いているため、X線検査などと比べて侵襲性が低いことが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的において挙げられている計測時間の評価および短縮が達成され、またアプリケーションとして皮膚表面へ本手法を適用することによって、非接触での筋収縮センシングが可能であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は超音波フェーズドアレイの高出力化など計測システム自体を改良し、それによって可能となるアプリケーションを検討する。また計測対象の先験的な情報に基づき、計測空間分解能を制御することでリアルタイム計測が可能な条件を評価する。生体皮膚計測への応用では、得られる情報を定量化し、また対象の周波数特性の計測によって内部の弾性分布を計測可能かどうか検討する。
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Research Products
(6 results)