2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者の意志読み取りにおける、他者を理解するための資源運用の変遷
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13J09689
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石島 健太郎 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 障害者介助 / 健常主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度前半では、まず昨年度より渉猟を進めていた障害学理論上の概念である健常主義Ableismについての検討を進めた。6月の関東社会学会、11月の障害学会などでの報告を通じて議論を深化させた上で投稿論文としてまとめ、これが『現代社会学理論研究』に掲載された。 これと併行して、共同研究者である川口有美子氏(ALS/MNDサポートセンターさくら会)らとともにおこなった、神経難病患者家族に対する調査データの分析をおこない、8月の難病看護学会で報告した。その内容をもとに投稿論文を執筆し、これが『日本難病看護学会誌』に掲載された。 これら2つはそれぞれ、本研究課題の理論的・経験的な議論の一部となるものである。 また、2014年度後半からは、障害者と介助者の関係性についての規範にまつわる文献の渉猟をおこなっている。90年代以降の議論はおおよそ見渡せたと思われる。これは本研究課題がどのような点で既存研究に対する貢献をおこなうのかを明確にする上で必要な作業であった。 くわえて、本年度は新たな分析手法の習得にも努めた。まず、共同研究者がおこなった、神経難病患者へのアンケート調査の分析を依頼された際、その調査の特性を踏まえた上で、ファジィセット質的比較分析(fsQCA)の適用が妥当と考え、当該手法を学び、実際に分析をおこない論文を執筆した。これは2015年4月に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
比較的多くの論文を執筆・公刊でき、研究計画は順調に進行している。また、積極的な学会報告を通じて、同様の問題関心をもつ諸研究者からの批判を得ることができ、これが本研究計画の洗練につながると思われる。 また、以前より関わっている東京大学社会科学研究所の二次分析プロジェクトにも引き続き参加し、一般化線形階層モデル等の手法の獲得に努めた。当該の議論は報告書として2015年6月に公刊予定である。本研究課題は、基本的にはインタビュー調査等を通じた質的な分析をもとに遂行されるものであるが、こうした別の手法を習得することは、自身の方法論の相対化につながると思われる。もちろん、こうした新しい手法についての習熟は、本研究課題が十全に進められていることを前提におこなわれている。 今後もこの調子で調査・執筆を続けていけば、当初の目標は十分に達成されると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の1年次後半よりおこなった理論研究により、経験的な議論をおこなうための調査がやや遅れている部分もあるが、調査対象者との接触は続けておこなっており、対象者も調査に積極的であるため、大きな問題とはならない。今後は2年次までに理論研究を拠り所として、経験的研究に一層の注力をおこなう予定である。
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Research Products
(7 results)