2013 Fiscal Year Annual Research Report
ジアシルグリセロールキナーゼβ(DGKβ)の脳高次機能に及ぼす影響に関する研究
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13J09790
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石坂 光絵 岐阜薬科大学, 薬学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 海馬 / 抑制性神経細胞 |
Research Abstract |
(1)DGKβ欠損マウスを用いた、てんかん感受性の検討 痙攣誘発薬であるカイニン酸、ペンチレンテトラゾールを投与し、その後のマウスの行動変化を評価した。結果として、DGKβ欠損マウスはペンチレンテトラゾール誘発、カイニン酸誘発痙攣において、野生型マウスより重篤な症状を示すことが明らかとなった。 (2)てんかん発生時のDGKβの変化の検討 野生型マウスを用いてペンチレンテトラゾール投与後の海馬におけるDGKβの局在、発現量について、免疫染色法、ウェスタンブロット法を用いて検討した。結果として、ペンチレンテトラゾールを投与してから20分後のDGKβの局在に変化は認められず、またDGKβの発現量に変化は認められなかった。 (3)DGKβ欠損マウスの海馬における抑制性神経数の検討 野生型マウス、DGKβ欠損マウスの脳を用い、薄切切片を作製し、抑制性神経マーカー(parvalbumin)により免疫染色を行い、陽性細胞数について検討を行った。結果として、DGKβ欠損マウスの海馬、特にCA3領域において、パルブアルブミン陽性抑制性神経細胞数の減少が認められた。 この抑制性神経細胞数の減少がDGKβ欠損マウスの痙攣感受性増大の要因の一つであると考えられる。 これらの研究成果は以下の論文として公表した。 Ishisaka M., Tsuruma K., Shimazawa M., Shirai Y., Saito N. and Hara H. Increased seizure susceptibility in a mouse with diacylglycerol kinase β deficiency. Neuroscience & Medicine, 4, 117-122, 2013.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
DGKβ欠損マウスを用いた検討は順調に進展し、新たなた知見を見出すことができたため
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Strategy for Future Research Activity |
DGKβ欠損マウスに認められる躁病様の表現型に関して、既存治療薬を用いてその表現型の改善が認められるかについて行動薬理学的な手法を用いて検討する。
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Research Products
(6 results)