2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマターの構造形成:形成過程と不安定化のダイナミクス
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13J09898
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 俊人 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コロイド / 相転移 / 結晶化 / 融解 / ガラス化 |
Outline of Annual Research Achievements |
荷電コロイドは,長距離静電斥力により安定化されたWigner 結晶と呼ばれる秩序構造をとることがある.この結晶状態は,電荷により安定化された結晶構造であり,通常の剛体球系に比べはるかに低い体積分率で結晶が形成されるという特徴を持つ.このような荷電系は生体内で電荷を持った分子が多い点から,その秩序化を実験・理論的に検討することが重要であるのみならず,対イオンの濃度の自由度が相互作用の大きさに影響を与える点で物理学的にも興味深い系である.また,剛体球系ではHCP構造およびFCC構造が安定相として知られるが,荷電系ではこれに加え,BCC構造も低体積分率で安定に存在することが知られている.そのため,結晶化や融解過程へ新たな知見を与えることを目的とした。 本研究では,荷電コロイドを用いてその秩序化や結晶の融解過程を実験およびシミュレーションを用いることで調べた.まず,共焦点顕微鏡を用いてWigner結晶の形成過程を3次元的に調べることで,結晶化の際には結晶相の選択に液体中の中距離配向秩序が大きく影響を与えることを突き止めた.次に体積分率を変化させた場合にバルクの安定相が変化する相境界付近で結晶化が大きくスローダウンすることを見出し,その原因が各結晶形がフラストレートすることで生じていることが示唆された.また,このような系について静電相互作用を遮蔽することで,結晶から液体への相転移を引き起こし,融解のダイナミクスを3次元的に調べた.その結果,融解の核となる欠陥構造や臨界核の大きさなどを実験的に調べることに成功した.尚,このような荷電系を適切に扱うことのできるシミュレーション手法の確立も行った。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)