2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞ネットワークの内部状態制御によるラット脳の可塑的変化と記憶の関連の検証
Project/Area Number |
13J09939
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芳賀 達也 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 海馬 / 長期記憶 / スパイクソーティング / 神経細ネットワーク / フードバック制御 / 神経電極 / シナプス可塑性 / 記憶タスク |
Research Abstract |
本研究で構築を目指す神経細胞ネットワークの内部状態制御システムの構成要素として、まずラット脳からの信号計測を行うための計測系、そして電気刺激を行うための刺激系の構築およびそれらをPCにリアルタイムに集録・制御するためのインタフェースとなるプログラムの開発を行った。そして、本研究において計測・刺激の対象となるラット海馬へ埋め込む電極アレイの作成を行い、埋め込み手術を実施後、麻酔下での計測・刺激を行い、目的部位の神経信号計測および電気刺激印可が可能であることを確認した。しかし、麻酔下においては計測された神経活動のレベルが低く、さらに麻酔が可塑的変化を阻害するという先行研究が存在したことから覚醒下での計測・刺激を行うべく計測・刺激系に種々の改善を行った。さらに、計測された信号からの神経活動のリアルタイム検出について、かねてより開発中であった手法の詳細な性能評価およびさらなる改良を行い、論文誌や学会への発表を行うとともに今後の研究において使用可能な形に実装を行った。それとともに、抽出した神経活動データから海馬のネットワークの状態についてリアルタイムに解析を行うプログラムの実装も行った。また、本研究においてラット脳内の記憶の状態に関して評価を行うために用いる新規物体認識・モリス水迷路などの記憶タスクに関する準備を行い、ラットにタスクを行わせ、タスクに関して記憶を形成していく過程をスコアから確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が博士論文の執筆・審査に多大な労力を要したため、システムの完成および評価までは達することはできなかったが、各構成要素ごとに準備を整え目的を達成していることを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞ネットワークに対する制御系の構築について、各構成要素の準備は整っている状態であるため早くに完成および性能評価を目指す。以降は研究計画どおりに進める予定である。研究計画に先駆けて本年度中に記憶タスクについても準備を整えることができ、博士論文についても作業は完了したことから、来年度はよりスムーズな研究遂行が可能と考えられる。
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Research Products
(3 results)