2013 Fiscal Year Annual Research Report
粉体が係るマルチフィジックスシミュレーション手法の開発
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13J09948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
孫 暁松 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Gas-liquid flow / Complex boundary / Level set method / Volume-of-fluid method / Immersed boundary method / Fluid-particle interaction / Discrete element method |
Research Abstract |
本年度の研究では, 主に自由液面を有する気液二相流の数値解析手法の開発, およびそれに基づいた流体―固体(粉体)連成問題に取り組んでいた. 研究内容は以下の二つの課題から構成される. (1) CLSVOF-IB法による複雑境界を有する体系の気液二相流の数値解析 複雑形状および移動境界を有する体系内の非圧縮性気液二相流は, 津波の大規模水波から懸濁液中の上昇気泡まで, 様々な自然流れや工学プロセスで広範に現れる. 特に原子力工学分野では, 配管中の水・蒸気の熱流動現象解析などの課題が挙げられる. これらのプロセスの現象解明・設計最適化には, 複雑境界のモデリングとその影響を反映した気液相互作用の数値解析が重要である. 本研究では, 計算アルゴリズムの簡便性と安定性を考慮したうえで, 気液二相流の数値解析手法としてCoupled Level Set and Volume-of-Fluid (CLSVOF)法を用いた. そして, CLSVOF二相流解法の直交格子系に埋め込み境界(I㎜ersed Boundary, IB)法を導入することによって, 任意形状を有する複雑境界のモデリングを行い, 2次元解析のためのCLSVOF-IB法を開発した. 本手法は気液二相流界面の追跡精度を保ちながら, 格子生成不要で任意に与えられた固体境界を効率よく表現できる. (2) DEM-VOF連成手法による固気液三相流れの数値解析手法の検討 粉体粒子が関わる固気液三相流れは産業分野で幅広く取り扱われており, その数値解析による産業プロセスの設計補助と最適化手法が期待されている. そのため, 本研究の目的は, 前述の埋め込み境界法を補助的に用いた気液二相流解析手法と離散要素法(Discrete Element Method, DEM)を連成したオイラー―ラグランジュ法を開発することとした. その初歩的な検討として, 本年度では局所体積平均近似に基づいてDEM法とVOF法の流体粒子連成手法を提案した. 高濃度な固体粒子相を有する3次元体系に対して, 固気液三相の相互作用を含む混相流挙動を解析した. 解析結果と実験データの比較により, 本手法を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において数値計算手法の開発が主要課題となっている. 計算モデルの導入とシミュレーションコードの実装が順調に進んでいる. また, 計算モデルの妥当性・精度評価についても, 検証実験との比較によって確かめた. ここまでしっかり築いた基礎の上で, 次年度の研究がスムーズに進展できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)CLSVOF-IB法の拡張と実用化 2次元CLSVOF-IB法の開発を先導的な研究として, 本グループで作成した任意形状境界モデルとの統合により, 本手法を3次元体系への拡張を試みる. また, 伝熱モデルの導入を検討し, 原子力工学の現実問題に適用したい. (2)固気液三相流れの数値モデルの開発と検証 既存のDEM-VOF計算モデルに, 前述の埋め込み境界表現とCLSVOF界面追跡法を接続し, 固気液三相流の数値解析モデルを確立させる. 実際の粉体機械に本手法を適用し, そのパフォーマンスを評価する.
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Research Products
(5 results)