2014 Fiscal Year Annual Research Report
粉体が係るマルチフィジックスシミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
13J09948
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
孫 暁松 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | gas-solid-liquid flow / two-phase flow / fluid-particle flow / volume-of-fluid method / discrete element method / immersed boundary method |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では,主に固気液三相流の数値解析手法の開発に取り組んでいた.その概要は以下の二つの部分に分けて報告する. (1)VOF-IB法による複雑形状境界を有する二相流体系の数値解析 複雑形状及び移動境界を有する体系内の非圧縮性気液二相流は様々な工学分野で広く取り扱われている.これらの問題に対して数値解析の応用により現象解明と産業プロセスの高度化が期待される.また,固気液三相流の数値解析への先導的な研究としても取り組むに値する課題である.従来手法では基本的に固定直交格子が用いられるため,計算格子に適合しない任意形状や移動境界のモデリングが困難である.このような背景から,本研究では複雑境界を有する3次元体系における非圧縮性気液二相流問題の数値解析を実行するために,VOF-IB手法を開発し,既往手法で扱いにくい任意形状境界や移動境界の表現に成功した.検証問題に本手法を適用して,その妥当性を示すことができた. (2)固気液三相流の数値解析のためのDEM-VOF計算手法の開発 固気液三相流は連続相の気液二相流と分散相の固体粒子に構成される混相流を意味する.このような流れは様々な産業分野で幅広く取り扱われており,その数値解析による産業プロセスの設計高度化と最適化手法が現在期待されている.実際の工学応用に対して,既存手法には流体‐粒子連成モデルについての問題点が存在する.これらの問題を解決するために,本研究ではDEM-VOF法を開発した.本手法の妥当性を検証するために,気泡‐粒子の浮上運動,粒子群の入水挙動,三相流ダムブレーク,回転円筒容器などの3次元数値解析および検証実験を行った.現在我々の把握した範囲では,本手法が複雑体系内の固気液三相流計算を実行できる唯一のものである.このように,DEM-VOF手法の有効性が証明され,産業分野における現実的な固気液三相流問題への適用可能性が展開された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,(1)VOF-IB法による複雑形状境界を有する気液二相流の数値解析,(2)DEM-VOF法を用いた固気液三相流の数値解析手法の開発に取り組んだ.その内容は現在国際学術雑誌に投稿しておる.また,学会発表での受賞もあった.これらの研究成果をもって,研究が概ね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
固気液三相流の数値解析の高度化を目指して,今後の研究は計算モデルの開発と工業応用の展開の二つの方向性に進む予定となっている. (1)固気液三相流に特有な毛管力や粒子間の液架橋力などについて,現在では計算モデルが確立されていない.現在開発中の固気液三相流直接数値計算手法により,これらの作用モデルを構築することが可能である. (2)分散・混合・界面プロセスにおける多くの産業機械を正確に模擬できる数値手法が求められている.現在,二軸回転混煉機への本手法の適用が検討されている.
|
Research Products
(6 results)