2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞におけるDll1の局在制御による未分化性維持細胞選択機構の解明
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13J10011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 宏紀 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 運命制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
複雑な脳を発生の過程で正確に構築するためには、神経系前駆細胞が未分化な状態を維持しながら増殖を繰り返すとともに、一部の細胞だけがニューロンへと分化することが必須である。しかしながら、神経系前駆細胞の中でいずれの細胞をニューロンへと分化させるかの決定を司る分子メカニズムは明らかでない。神経系前駆細胞の未分化性維持にはNotchシグナルの活性化が必須であり、Notchシグナルが不活性化された細胞はニューロンへと分化する。従って、Notchシグナルの活性化と不活性化を決定する機構こそが神経系前駆細胞群の中からニューロンへと分化する細胞の決定において重要であると考えられる。Notchリガンドである膜タンパク質Delta-like 1 (Dll1) は神経系前駆細胞のNotchの活性化に必須であり、Dll1の量が未分化な細胞と分化細胞を決定することに重要である。細胞間に生じた細胞膜上へのDll1の提示量の偏りが、隣り合う細胞のNotchの活性化を介した側方抑制機構によって増幅され、その結果として未分化な細胞と分化する細胞を決定することが示唆されている。従って、Dll1の最初の偏りがNotchの活性化と不活性化を生み出すことに重要である。しかしながら、Dll1の偏りが最初にどのようにして生じるかはわかっていなかった。我々は、未分化な神経系前駆細胞の一部の細胞でDll1が粒状の構造体 (Dll1 puncta) を形成していることを発見した。これらの細胞では他の死刑系前駆細胞に比べてNotchが強く活性化していたことから、Dll1の偏りを生み出すメカニズムがDll1タンパク質の局在制御にあるのではないかと考えた。そこで、まず、Dll1 punctaを形成するメカニズムを調べるためにDll1 punctaがいかなる構造体なのかを明らかにする目的で電子顕微鏡観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度において、本研究員は主体的に研究課題に取り組み、成果を上げた。前年度に引き続きDll1 punctaの形成や非対称分配の実行因子を明らかにするために、電子顕微鏡観察を用い、Dll1 punctaの構造体を調べた。その結果、Dll1が局在している構造体である可能性を持った細胞内小器官を発見した。そこで現在はDll1 が局在するメカニズムと意義を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はDll1の局在を、特に非対称分裂時に詳細に検討していく。そして、Dll1が局在した構造体がいかにしてDll1の非対称な分配に貢献しているのか検討していく。そのためにtimelapse imagingを用いて検証していく予定である。
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