2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10021
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
栗原 一徳 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機 / エレクトロニクス / 生体 / センシング / 増幅回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の課題は生体からの微小な電気信号をセンシングするための有機信号増幅回路の高利得化であった。そのために回路の生体信号帯域までの高速化および増幅利得の向上が必要であった。そこで動作速度に影響する寄生容量の低減を電極の微細化により実現し、さらに回路の多段化による利得の改善を行った。 まず、チャネルの微細化による高速動作を検証した。電極幅、チャネル長ともに前年度の50μmから10μmに微細化したシャドウマスクを作成し、電極面積を減らすことで寄生容量を低減させた回路を作成した。その結果、3段のリングオシレータでは平均発振周波数1.4 kHzの発振を確認することができた。これは8.5 kHzの駆動周波数に相当し、目的となる10 Hz~1 KHzの生体電気信号帯域を十分カバーできるものである。 次に高反転利得のための回路の多段化・集積化を行った。1段のインバータの反転利得は70であった。これを3段直列に接続することで反転増幅利得は1.6×10^4以上に大きく向上することがわかった。最後に、この多段インバータに入力容量C=2.2μF、負帰還抵抗R=1MΩの固体素子を外付け配線によって接続し、増幅回路での信号増幅利得を調べた。結果として、50 Hzで最大利得696(56.9 dB)の前年度よりも良好な特性を得ることができた。特に心電の主成分である10-100Hz帯に対して利得の最低値が前年度18.8dB(@100 Hz)であったのに対し、今年度は43.1 dB(@10 Hz)と20 dB以上改善することができた。さらに、これらのデバイスは応用上重要な2Vでの低電圧駆動にも成功している。 本研究では、微細化と多段化により生体センシング用有機増幅回路の高性能化が実現できることを示すことができた。今後は多段インバータのさらなる集積化や生産性の向上のための印刷法との組み合わせが期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)