2014 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン制御因子Mamoによる極細胞中における遺伝子発現制御機構の解析
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13J10063
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
平 誠司 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖細胞系列の細胞中では、vasa遺伝子 (vas)が特異的に発現することが知られており、vasの発現を活性化する制御機構には不明な点が多い。本研究ではショウジョウバエ母性因子Mamoによるvasの発現活性化制御の分子機構の解明を目的として解析を行った。これまでに、MamoのC2H2型Znフィンガードメイン (MZD) がvas遺伝子座のイントロンにある配列と直接結合することを明らかにした。また、野生型と比較してMZD強制発現胚中では、MZD結合領域周辺でヒストンH3K27のアセチル化のレベルが高くなることが分かった。 さらに、H3K27のアセチル化に関与するCBPとMZDが遺伝学的に相互作用することが明らかになった。これらのことから、MZDがCBPといったヒストン修飾酵素と相互作用し、vasの発現を制御する可能性が考えられる。 次に、vas遺伝子座のイントロンにあるMZD結合領域がvasの発現活性化に必要なのかを調べるために、CRISPR/Cas9システムを用いてMZD結合領域を欠失した系統を作製した。その結果、MZD結合領域を欠失した胚中では、生殖細胞中における内在性vasの発現が野生型に比べて有意に低下することが明らかになった。このことから、vas遺伝子座にあるMZD結合領域がvasの発現活性化に必要なエレメントであることが示唆される。次にMZDがvas遺伝子以外の遺伝子の発現に影響を与えるのかを解析するために、野生型胚とMZD強制発現胚を用いてRNA-seq解析を行った。その結果、減数分裂関連遺伝子であるc(3)G遺伝子の発現量が、野生型胚に比べてMZD強制発現胚中で増加することが示唆された。そこで、c(3)G遺伝子の発現量を解析した結果、野生型胚と比べてMZD強制発現胚中ではc(3)G遺伝子の発現量が有意に増加することが分かった。このことから、c(3)G遺伝子の発現もvasと同様にMZDによって発現活性化を制御されることが示唆される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)