2013 Fiscal Year Annual Research Report
グアニン酸化損傷から生じる点突然変異の回避機構の解明
Project/Area Number |
13J10124
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
鈴木 雅代 徳島文理大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | グアニン酸化損傷 / G→C点突然変異 |
Research Abstract |
これまでの研究からグアニン酸化損傷であるオキサゾロン(Oz)は様々なDNAポリメラーゼに共通して相補鎖側にグアニンが取り込まれることが明らかとなっており、G→C点突然変異を引き起こすグアニン酸化損傷である。また、Ozを含むDNAの複製において突然変異が生じないのはグアニン酸化損傷であるOzに対してシトシンが挿入された場合であるが、これまでOzに対してシトシンを優位に挿入するDNAポリメラーゼは見つかっていない。本研究はこのOzから生じるG→C点突然変異の回避機構を明らかにすることを最終目的としており、その可能性を秘めたDNAポリメラーゼとしてREV1に着目した。このREV1は天然塩基やアベーシックサイトを始め様々なDNA損傷に対してシトシンを優位に取り込むDNAポリメラーゼであり(Nature, 1996, 382, 729)、Ozに対してもシトシンを優位に取り込むかを解析する必要があった。 本年度はREV1のリコンビナントを作製し、Ozに対する塩基の取り込み解析を行った。その結果、Ozに対してシトシンが非常に優位に取り込まれることを明らかにした。また、速度論解析を行った結果、代表的なグアニン酸化損傷である8オキソグアニン(8oxoG)よりもOzに対して効率よくシトシンを取り込んだ。8oxoGよりもOzの方がグアニンと構造が大きく異なるにも関わらず、シトシンの取り込み効率はOzの方が天然のグアニンに近い結果となり、非常に興味深い。今後さらなる考察が必要である。以上より、REV1がOzに対してシトシンを優位に取り込むことを明らかにし、Ozから生じるG-C点突然変異を回避する機構において重要な役割を担っている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9の研究実績の概要に示したように、本研究において最も重要となるREV1がOzに対して優位にシトシンを取り込むことを明らかにしており、Ozから生じるG-C点突然変異を回避する機構においてREV1が重要な役割を担っている可能性をより強く示唆する結果が得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、Ozに対してシトシンを取り込んだ後は伸長反応が停止することも明らかとなった。このことから、REV1と結合してREV1がシトシンを取り込んだ後伸長させるためのDNAポリメラーゼが存在することが考えられる。つまり、Ozから生じるG-C点突然変異の回避機構の解明には、本研究課題の申請時考えたREV1をOz特異的に呼び込む機構の存在を明らかにするだけでなく、REV1がシトシンを取り込んだ後伸長するDNAポリメラーゼを明らかにする必要がある。その対策として、現在、可能性のあるDNAポリメラーゼのリコンビナントを作製しているところであり、今後REV1がシトシンを取り込んだ後の伸長反応について解析する。
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Formation of a flavin-linked cysteine.2013
Author(s)
Masayuki Morikawa, Takeshi Senda, Masayo Suzuki, Takanobu Kobayashi, Hiroshi Miyazawa, Katsuhito Kino
Organizer
The 17th International Electronic Conference on Synthetic Organic Chemistry
Place of Presentation
Electronic Conference
Year and Date
20131101-30
-
-
-
-
-