2013 Fiscal Year Annual Research Report
製品デザインが企業の競争力に与える効果およびそのマネジメント方法の実証分析
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13J10145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋池 篤 東京大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イノベーション / 経営戦略 / 工業デザイン / 製品開発論 |
Research Abstract |
「製品デザインが企業の競争力に与える効果およびそのマネジメント方法の実証分析」という研究課題に対して、「技術と外観・使いやすさの間の関係」に関して、その実態、マネジメント方法について研究を行ってきた。 まず、実態の把握・効果については携帯電話市場を対象に分析を行った。その結果として、日本市場において、携帯電話メーカー携帯電話のテレビ機能導入期(2005-2007)には外観を犠牲にして、TV機能を導入していることが明らかとなった。 また、マネジメント方法については、いくつかの企業へのインタビューから得られた知見を基に、デジタルカメラ市場や掃除機市場における、技術特許と意匠特許の関係性に着目し分析したところ、優れた外観の創出に関しては、技術の知識を保持していることが重要であることが明らかとなった。ただし、その効果は技術の成熟とともに減少が見られた。 現在、技術的な要素での差別化が難しく、工業デザイン・工業デザイナーの活用が重要であるといわれている中で本研究では、技術と外観・使いやすさなどの要素を同時に検討していく必要がある。優れた外観や・使いやすさを達成するためには、工業デザイナー・工業デザイン部門だけでは完結せず、技術部門との関係性・技術の知識も重要であり、その関係性も技術の成熟とともに変化していくのである。このように、技術と外観・使いやすさを同時に加味した経営が企業には求められることを示した点に貢献があるといえよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デザインと技術の関係性に関して、日本企業でどのような現状となっているかの現状の把握を行うことができた。また、マネジメント方法に関しても優れた意匠の創出のための技術的要素の重要性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
製品の外観や使いやすさが技術的な要素と比較した際に企業がどのような効果をもたらすのか、それが技術の成熟の中で、どのような変化をするのかという観点に関して、消費者アンケートなどを実施することで、消費者サイドから明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)