2013 Fiscal Year Annual Research Report
ω中間子光生成による原子核束縛状態探索と中間子-原子核相互作用の精密測定
Project/Area Number |
13J10154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桝本 新一 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中間子生成・ハドロン構造 / 粒子・光検出器 |
Research Abstract |
申請者はSPring-8 LEPS2 施設においてω中間子を光生成しω中間子束縛エネルギーを精密測定することにより、ハドロン-核子相互作用を明らかにしたいと考えている。本実験ではω中間子の崩壊をBGO電磁カロリメータで検出し生成を同定した上でTOF検出器で欠損質量を測定するという新しい手法を確立することにより、明確な束縛エネルギーを得ることを計画している。本年度は本実験に必要な検出器である荷電粒子検出器の製作・性能評価、およびBGO電磁カロリメータの製作とLEPS2テストビームによるデータの取得を行った。 荷電粒子検出器はプラスチップシンチレータとガスワイヤーチェンバーで構成され、高エネルギー加速器研究機構において製作と性能評価を行った。プラスチックシンチレータはMPPCを用いた新光読み出し方式を採用しその性能評価を行い、本実験で十分な性能である250 PS の時間分解能が得られた。ガスワイヤーチェンバーは設計・製作を完了し、検出器の動作テストを行った。ガスワイヤーチェンバーはイーサネット読み出しであり、この読み出しシステムを構築した。 BGO電磁カロリメータは本体の製作が完了し. 最終的に1320チャンネルから成る読み出しの内の420チャンネルの読み出し回路を製作した上でLEPS2においてビームテストを行った。各チャンネルのエネルギー分布とπ^0中間子不変質量を用いることにより検出器の調整やデータ解析におけるエネルギー較正を行い、ビームテストの目標であるπ^0、η中間子の検出するに至った。 また、本実験の先行実験であるELPH FOREST 実験のデータを用いて、電磁カロリメータの解析とマルチメソン光生成の研究を行った。運動学的フィットによる電磁カロリメータの解析を行π^0π^±生成断面積を導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
荷電粒子検出器の製作が予定より遅れた, BGO電磁カロリメータも本年度中にすべてのチャンネルで読み出し回路を作成するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
高エネルギー加速器研究機構で製作した荷電粒子検出器の検出器テストを完了する。その後、荷電粒子検出器をSPring-8 LEPS2 ビームラインの電磁カロリメータBGOEGGの内側にインストールする。同時にBGOEGG電磁カロリメータにおいて、全1320チャンネルの光電子増倍管の信号をすべて読みだせるようにデータ収集システムを構築し、本実験のデータ取得を開始する。
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Research Products
(2 results)