2014 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の不均一性からみた、双方向的EMT制御系による悪性化基盤形成機構の解明
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13J10159
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加藤 真一郎 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 上皮間葉転換 / 細胞間相互作用 / 転移 / WNT / CTGF |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮間葉転換(Epithelial-to-Mesenchymal Transition: EMT)は腫瘍組織内部において不均一に誘導されている。本研究課題では『EMTを起こしたがん細胞』と『EMTを起こしていないがん細胞』の間のクロストークによってEMTが双方向的に制御されることを明らかにするために、平成25年度にEMTを正に制御する因子としてWNT3、WNT5Bが分泌されることを見出し、『EMTを起こしていないがん細胞』に対してWNT依存的EMTを誘導すること、転移能が亢進されることを明らかにした。平成26年度は本研究課題にある「双方向性」を示すために、EMTを負に制御する液性因子の同定を目指した。 TGF-betaによってEMTを誘導したヒト肺癌細胞株A549(M-A549)を用いて、培養上清を作製したところ、この培養上清はM-A549自身にEMTとは逆の現象であるMETを誘導する液性因子が含まれることを見出した。さらに、その液性因子を同定するために、intactのA549に比べてM-A549で発現および分泌亢進している遺伝子群をバイオインフォマティクスの手法(GSEA)によって探索したところ、Connective Tissue Growth Factor(CTGF)が見出された。さらに、CTGFに対するsiRNAもしくは中和抗体によって培養上清が持つMET誘導能がキャンセルされ、リコンビナントCTGFの単独処理によってMETが誘導されたことから、CTGFがEMTを負に制御するMET誘導因子となりうることが示された。さらにそのメカニズムとしてCTGFがp38MAPKを抑制することで、METを誘導することを明らかにした。以上のことから、『EMTを起こしたがん細胞』が産生する液性因子によって、周辺のがん細胞のEMTが動的に制御されうることが初めて明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)