2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10181
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田村 未希 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 哲学 / 解釈学 / 現象学 / ハイデガー / 歴史性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はハイデガーの哲学における「解釈学的方法」について総体的に把握し、現代の解釈学的哲学の諸問題へのハイデガーの立場からのアプローチを示すことを目的としている。2年目となる2014年度は、「解釈学的方法」の内実に関する理解をより先鋭化し、具体的な問題の中での展開することを目標として研究を行った。 本研究は、歴史記述や文学など様々なテキストについて「解釈者の立場によって左右されない、純粋で「客観的」な理解が不可能だとすれば、それらを真に理解するとはどういうことでありうるか」という問題意識によって導かれているが、その際に「真である」ということをどのように考えるべきかが問題であった。1年目の研究で「真理」を「開示性」と読み替えるハイデガーの真理論の眼目はある程度明らかにし得たが、具体的には彼がどのような記述を「真」と考えているのか、つまり、歴史記述や現象学、ハイデガー自身の記述の正当性に関してハイデガーがどのように考えているのかを明らかにする必要があった。この課題を受け、主として前期ハイデガーのテキストにおける「精密さ」と「厳密さ」という概念に着目し研究を行った。この成果は研究発表「学問と解釈―前期ハイデガーにおける「解釈学的状況」の問題―」において発表した。 「解釈学的方法」は、ハイデガーによる書評論文「カール・ヤスパース『世界観の心理学』に寄せる書評」(1919-21年)で、実際にテキストを理解し批判することの文脈において展開されている。本研究では主としてこの論文を手掛かりとして、哲学書のようなテキストの理解する場面をモデルケースとして扱い、「あるテキストを理解し批判する」とはどのようなことであり得るかという問いに応答する可能性を追求した。この成果は、上記の真理概念に関する研究と合わせて、論文「解釈と実存―前期ハイデガーにおける「解釈学的状況」の問題―」として投稿した。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)