2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J10205
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
門村 亜珠沙 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ユビコンプ / 食器 / フォーク / スマートフォン |
Research Abstract |
本年度では、ユビキタスコンピューティング技術を導入した生活用品により、家庭内における教育支援を実現し、新しい教育基盤である『家庭内ユビキタス教育』を構築することを目標に研究を行ってきた。 特に、食育に着目し、食育を改善するためのセンシング・フィードバック機能を備えた多機能食器(フォーク)を開発した。 食育は、2005年に食育基本法が成立し、その後、食育推進基本計画が定められ、「学校、保育所等における食育の推進」の中では幼児期における食育の方向性や対策が示されており、教育の中でも重要課題である。ゆえに、小学校や幼稚園などの教育機関では、食育の実現のために、啓蒙活動に取り組んでいる。しかし、食育活動を家庭内でも行うことは、親の知識や協力が重要となるため、実際には難しいとされている。 したがって、本年度では、ユーザ(子供・親)が特別な意識を持つことなく食育を体得できる多機能食器を開発し、実際に一般家庭の協力を仰ぎ、ユーザ評価を行った。本教育基盤では、子供の食行動(どのような食材を摂食しているのか)を検出し、それに応じた説得力のあるフィードバックを返すことができる。また、自然に食育支援を行うには、どこの家庭にでもある生活用品を特別な操作ではなく、その物本来の使い方で、利用可能なことが求められる。したがって、家庭内への導入のためには、市販されている製品と同等の品質を備える試作品を制作することに努めた。 本研究の成果により、日用品を食育のための学習道具として捉えることで、自然に生活をしながら学習をすることができる。さらに、家族で楽しみながら学ぶことに大きく貢献することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、多機能食器の実装・開発・実験を行うことを計画していた。その計画をすべて実行し、さらに論文を執筆し、国内・国際会議ともに採択され、計画通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
実施したユーザ評価の結果から、ユーザの食行動が改善されているかなどを踏まえて、システムの改良や議論を行い、論文誌採録を目指して執筆する。そして、今後も博士課程の研究課題である「家庭内ユビキタス教育の構築」を目指して、家庭内にある日用品にコンピュータを組み込むことで、ユーザの行動改善や教育支援を行う。
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Research Products
(9 results)