2014 Fiscal Year Annual Research Report
活性点構造を精密制御した高活性担持金属酸化物触媒の調製
Project/Area Number |
13J10221
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野島 晋 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タングステン / 過酸化水素 / 酸化反応 / 固体触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用者は、過酸化水素を酸化剤とした選択酸化反応や二酸化炭素固定化反応などのターゲット反応に合わせ原子・分子レベルで活性点構造を制御した、高活性・高選択性金属酸化物触媒の開発を目的として研究を行った。前年度までに、四核ホスホペルオキソタングステート([PO4(WO(O2)2)4]3-, PW4)をZn/SnO2担体へ固定化した触媒PW4-Zn/SnO2において、PW4構造が保持されていること、均一反応系よりも高活性を示すこと、不均一系触媒として機能することを報告した。今年度は、PW4-Zn/SnO2の反応活性、NMRによる表面種測定について詳細に検討した。PW4-Zn/SnO2は過酸化水素を酸化剤とした種々のアルケンのエポキシ化反応及びシラン・アミン・スルフィドの選択酸化反応に対して高い活性を示した。触媒量を合わせた同一反応条件において、検討した全ての基質で採用者達が以前に開発した触媒と比較して高い反応活性を示した。シクロオクテンのエポキシ化反応におけるTON及びTOFは高い値となり、基質に対しほぼ等量の過酸化水素を酸化剤とした不均一系タングステン触媒では最も高い値となった。Zn担持量を変えたPW4-Zn/SnO2及び種々の触媒について31P MAS NMRの測定を行い、表面種の推察を行った。PW4-Zn/SnO2のシグナルはSnO2上のPW4、ZnO上のPW4、Zn2+と相互作用したPW4に帰属されるシグナルにより再現可能だった。このうちZn2+と相互作用したPW4のシグナルの面積割合の挙動は、PW4-Zn/SnO2のZn担持量に対する反応活性の挙動と類似しており、本触媒における高活性に対応していることが示唆された。また均一反応系において、Zn2+種の添加による飛躍的な活性向上を別途発見し、この結果もZn2+種と相互作用したPW4が高活性成分であることを支持している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)