2013 Fiscal Year Annual Research Report
異世代交流を通じた地域再生に関する研究:共生ケア施設利用者の交流事例を中心に
Project/Area Number |
13J10224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江 文菁 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高齢者 / 障害者 / 障害児 / 共生ケア / 地域ケア / 福祉サービス / デイサービス / 利用者 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究の成果として以下が挙げられる。 ①日本国内における調査 今まで蓄積してきた施設データや情報を元に、北海道11施設、富山県6施設を選定した上で、施設関係者(開設者、管理者、職員)へのインタビュー調査を重ね、より緻密なデータを得ることができた。 さらに、施設内使用状況の変化を探るため、2010年に行った行動観察調査対象2施設に再調査の依頼をして、利用者の生活変化や施設空間整備(家具配置の変更、改修工事後の変更)についても実測調査およびインタビュー調査を実施した。 ②ノルウェーにおける調査 これまでに日本国内の共生ケア施設の実態と現状を把握するため、文献調査やアンケート調査、自治体職員に制度や緩和措置について明らかにしてきた。しかし、海外の福祉政策が比較的先進的な北欧諸国の実態をみてみると必ずしも「共生ケア」は報道されていない。本研究において欧州の計7か国における行政医療福祉保健担当部門へ問い合わせをした結果、5か国から返信があった。多くの回答は、このような地域福祉に関する管轄は地方自治体に委ねているため、国としては把握していないとのことであったが、そのうちノルウェーは施設紹介から訪問にまで至ったため、インタビュー調査を行った。 日本における共生ケア施設では、夏期休暇に子ども(特に障害児)の居場所として、普段より多くの子どもが利用する。ノルウェーの調査も夏期休暇中に現地でインタビューを行ったが、子どもの利用はみられなかった。一年にわたり日照時間が貴重な北欧では、夏にキャンプやハイキングなどを家族と一緒に楽しむため、日本のように、働く親のための子どもの居場所・遊び場利用はなかったことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内における現地での職員や施設管理者に対するインタビュー調査や、施設内の行動観察調査はおおむね順調に進展しており、海外研究の部分が文献や現地調査が不足しており、まとまったデータが得られていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
海外における施設の研究調査について、日本と同類な共生ケア施設という名称や取組みで活動しているところは少ない。しかし、現状としては類似なサービスとケアを行っているが「施設」単体ではなく「まち」や「プロジェクト」でそのような取組みがあるととらえられた。 異世代交流を通した地域に関する研究であるため、共生ケア施設利用者にこだわらず、広範囲の対象者と施設種別を今後の研究対象に取り組んでいきたいと思う。
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Research Products
(1 results)