2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹澤 浩気 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ホスト-ゲスト / 分子認識 / 加水分解反応 / クロミズム / 歪み / アミド / 環化反応 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
歪みを持った分子は、通常の分子とは全く異なる反応性や物性を示す。さらに、タンパク質の自己分解など、いくつかの生体反応で、反応部位における歪みが反応を促進していることが近年明らかになった。しかし一方で、人工系で反応性の向上に十分なだけの歪みを生み出すためには共有結合的に分子を縛る必要がある。本研究では、これまで共有結合的な化学修飾により行われてきた歪み誘起反応を、非共有結合的な分子間相互作用を用いて実現し、全く新しい機構で基質の活性化を行う触媒系の開発を目指す。 平成26年度では、二重結合への歪み誘起による求核反応の促進についてより詳細な検討を行った。結果、フェノールフタレイン誘導体において目的の反応が速やかに進行することがわかった。さらに、この化合物の人工ホスト化合物への会合定数が106程度と非常に大きなものであることが明らかになった。 さらに、アミド結合への包接による歪み誘起に成功した。適切に設計したベンズアニリドを正八面体型の中空ホスト化合物に包接されると、1:2のホスト-ゲスト錯体を形成した。その際、ベンズアニリド誘導体のアミド結合に歪みが誘起されていることが、13C NMRスペクトルおよび単結晶X線構造解析により明確に観測された。包接錯体の単結晶構造において、ベンズアニリドのアミド結合部は最大36°にまでねじられていることがわかった。 上記のようにしてねじられたベンズアニリドは、バルク溶液中に比べ塩基条件中での加水分解を受けやすくなっていることが明らかになった。標的のベンズアニリド誘導体は、20 mMの水酸化ナトリウムの水/メタノール混合溶媒系において、50 °C, 24時間加熱撹拌した後も加水分解を受けなかったが、中空錯体存在下では加水分解生成物を与えた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)