2013 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンエネルギーの活用を可能にするエコ水車発電用開放型貫流ランナに関する研究
Project/Area Number |
13J10285
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
片山 雄介 信州大学, 総合工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 小水力発電 / 開放型貫流水車 / クロスフローランナ / 水流制御 |
Research Abstract |
本研究では, 開放型貫流ランナに関する基礎から実用に至るまでの広範囲の知見の獲得をキーワードに室内での人工水路による基礎実験, シミュレーションから得られる知見より, 開放型貫流ランナの最適化設計指針と水流制御手法の2つについて確立することを目的とする. 一般的に本研究が対象とする開放型貫流水車の長所として, 取水口でのゴミ詰まりがない, 水路の変更が必要ない, 水路流量の多くを利用できる, 設置による水路水位への影響がないなどが挙げられる. 開水路での使用を目指す本水車では水流の流入角度が水流速度や水流に対するランナの相対位置や厚みで変化するが水流の変動や. そこで解決すべき点として次の二点が挙げられる. (a)水車ランナ関係 : ランナに対する水流の流入角度や厚さが変化する条件下での設計指針の確立. (b)水流制御関係 : 流量変動時でも流水の落下位置を安定化する手法の確立. (a), (b)はお互いに影響を及ぼすため, 互いの結果をフィードバックすることが重要である. 開放型貫流ランナの基礎的知見の獲得は, 農業用水路での水力発電の普及促進に寄与するものであり, グリーンエネルギーの推進に解を提供できる. 室内実験とシミュレーションの双方から最適解を抽出する. 当該年度は(a)のランナに対する水流の流入角度一定の際のブレード角度を変化させ水車の効率を改善した. また, (b)の水流制御では流量変動時の自由表面変動を防ぐために曲面流路を採用し, その水流偏向角度を変化させることで永流自由表面の変動・変形を抑制し, 幅広い流量範囲で発電可能とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験と計算の両面から研究を進め, 水車形状ではブレード入口角度を変更することで様々な水流状況における水車性能を把握した. また, 水流制御方法に関しては曲面流路を採用し, 水流自由表面の変動・変形を抑制し落下位置を安定化することが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
実用化を見据えた際に, 実験範囲から外れる流量地点や落差地点への適用を可能にする必要がある. その対応策として1年目で得た開放型貫流ランナと水流制御手法のマッチング条件の評価として水車ランナへの水流の作動状態を明らかにすることで設計指針を得る.
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