2014 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の造腫瘍性に関わる新規 non-coding RNA の探索と機能解析
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13J10303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉政 宏信 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 治療標的の探索 / ポリユビキチン化 / 長鎖非コードRNA / 遺伝子発現制御因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近年その機能が明らかになりつつある長鎖ノンコーディングRNA (lncRNA)に着目し、大腸癌の造腫瘍性において重要な役割を果たすlncRNAの探索とその機能解析を通じて、大腸癌発症・進展における新たなメカニズムを明らかにし、新規治療法確立への足掛かりを得ることを目標とした。 昨年度までに、大腸癌の造腫瘍性に重要なlncRNAとしてncRNA-Xを見出すことに成功した。さらに、ncRNA-Xに結合するタンパク質としてProtein-Yを同定するに至った。Protein-Yは大腸癌を含めた多くの癌組織で高発現している遺伝子発現制御因子であり、癌細胞の生存に重要であることがすでに知られている。そこで、ncRNA-XとProtein-Yの関係について検討したところ、ncRNA-XはProtein-Yタンパク質を安定化することで大腸癌細胞の生存に寄与していることが明らかとなった。 当該年度においてはncRNA-XがProtein-Yを安定化する詳細なメカニズムを解析した。具体的には、①Protein-Yの分解を促進する因子の探索と同定、②Protein-Y分解促進因子に対するncRNA-Xの阻害活性検証、③ncRNA-XがProtein-Yに作用する部位の同定を行った。その結果、ncRNA-XがProtein-Yのある領域に結合し、Protein-Y分解促進因子にによるその領域のユビキチン化を阻害することによりProtein-Yタンパク質を安定化していることが明らかとなった。 本研究は、大腸癌の造腫瘍性に重要なlncRNAを同定し、遺伝子発現制御因子、特にエピゲノム制御因子のユビキチン化を制御するlncRNAを発見したという点及び、大腸癌治療の新たなターゲットを提示したという点において意義があると考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)