2013 Fiscal Year Annual Research Report
精巣と初期胚特異的に発現する新規プロテアソームサブユニットα8の機能解析
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13J10397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上地 浩之 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン |
Research Abstract |
プロテアソームは細胞内のポリユビキチン化タンパク質を選択的に分解する巨大酵素複合体である。近年の研究から脊椎動物では免疫組織特異的に発現する免疫触媒サブユニットが特殊なプロテアソームを形成し、免疫応答機能に貢献していることが知られている。本研究課題では、これまでに哺乳類において減数分裂前期以降の精細胞特異的に発現するプロテアソームサブユニットα8を見出しており、その機能解析を進めている。本年度の解析から、哺乳類精細胞では免疫触媒サブユニットが発現しており、しかしこれらとα8は同時にプロテアソームに組み込まれないことがわかり、哺乳類精巣に存在するプロテアソームのサブタイプの様式を明らかとした。さらにα8の立体構造予測モデルから、α8を組み込んだプロテアソームは標準的なプロテアソームとは異なる表面構造をとる可能性を見出しており、酵母2ハイブリッド法にてそれぞれのプロテアソームの相互作用因子を探索したところ、α8に相互作用しプロテアソームに分解されうる分子をひとつ同定した。これまでの結果は、α8の機能を解明する上で重要であるともに、プロテアソームが現在までに知られている以上に多様性を有することで生体内にて機能していることを示すものである。 さらにα8欠損マウスを作製してその機能解析を進めたが、当初予想していた精子形成や受精能の異常は観察されなかった。しかし解析に用いていた系統では精細胞に免疫触媒サブユニットが発現していないことが分かり、これらの発現の認められた系統へのバッククロスを進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた実験は遂行できているが、ノックアウトマウスにおいて遺伝的背景などの不備があり用意しなおしているため、②とした。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究を遂行する。加えてノックアウトマウスは目的の遺伝的背景・遺伝型をもつ個体を取得次第、本年度実施した実験を追試する予定である。
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Research Products
(3 results)