2014 Fiscal Year Annual Research Report
重力レンズクェーサー吸収線系による銀河形成期のハロー進化の解明
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13J10504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱野 哲史 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 赤外線高分散分光 / 重力レンズクェーサー / クェーサー吸収線系 / 最遠方Ia型超新星残骸 / DIBの発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「クェーサー吸収線系」の観測的研究を大きく進展させることが期待されている、次世代の近赤外線高分散分光器WINEREDの開発およびそれを用いた観測・研究に参加した。WINEREDは東京大学と京都産業大学の共同で開発された近赤外線高分散分光器であり、高感度、高波長分解能、広波長域を特徴とする高性能な装置である。将来的にWINEREDは海外の大口径望遠鏡に移設される予定であり、クェーサー吸収線系をはじめとして天文学の多くの分野での活躍が期待されている。
WINEREDは現在、京都産業大学神山天文台の荒木望遠鏡に搭載されており主に恒星の観測を行っている。特に私は、WINEREDを用いて「diffuse interstellar band」 (DIB)と呼ばれる星間物質中の有機分子による吸収線の観測的研究を行った。近年では、クェーサー吸収線系においてもDIBの検出が報告されるなど、本研究課題とも関連の深いテーマである。私は数十天体を観測する系統的な赤外線DIBサーベイを世界に先駆けて行い、その結果過去知られていた5本の赤外線DIBに加えて、新たに15本のDIBを発見することに成功した。本研究は、赤外線波長帯でDIBの高精度かつ大規模な観測的研究が初めて可能となったことを示す重要な成果であり、今後の研究の進展により星間空間における有機分子の性質、反応過程および起源について大きく理解が進むことが期待される。本研究の結果は、投稿論文として発表した他、国内の研究会でも発表した。また、論文の出版に会わせてプレスリリースも行い、いくつかの新聞やウェブニュースに取り上げられるなど、社会的にも注目を集めた。将来的に、WINEREDを用いて本研究課題である「重力レンズクェーサー吸収線系」の観測的研究にも取り組んでいく予定である
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
2015年2月16日に東京大学理学系研究科からプレスリリースを行い、複数のメディアに取り上げられた(webページ参照)。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Near-infrared Diffuse Interstellar Bands in 0.91-1.32μm2015
Author(s)
Hamano Satoshi, Kobayashi Naoto, Kondo Sohei, Ikeda Yuji, Nakanishi Kenshi, Yasui Chikako, Mizumoto Misaki, Matsunaga Noriyuki, Fukue Kei, Mito Hiroyuki, Yamamoto Ryo, Izumi Natsuko, Nakaoka Tetsuya, Kawanishi Takafumi, Kitano Ayaka, Otsubo Shogo, Kinoshita Masaomi, Kobayashi Hitomi, Kawakita Hideyo
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 800
Pages: pp137-153
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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