2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロゲル微粒子混合系におけるコロイド安定性の制御および新規機能性材料創製
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13J10547
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堀込 幸司 信州大学, 総合工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイドロゲル微粒子 / 気液界面 / 自己集積化 / コロイド / 膨潤状態観察 |
Research Abstract |
気液界面でのゲル微粒子の詳細な観察に向けまず(1a)を行った. (1a)イオン液体を活用したゲル微粒子の膨潤状態観察方法の提案(論文提出中) 不揮発性のイオン液体をゲル微粒子内に含ませることで、その膨潤状態の観察を試みた。 サンプル調整時にイオン液体を加えるものと加えないものとで比較し検討を行った結果、前者に比べ後者の方が、ゲル微粒子の体積は~3倍増大した(粒子直径 : 372㎚→555㎚に変化)。また膨潤状態の評価としてゲル微粒子内部に複合した金ナノ粒子の分布は、同様に比較すると~85㎚広がっていることがわかった。以上の結果から、イオン液体でゲル微粒子が膨潤していることが示唆され、サブミクロンオーダーのゲル微粒子の膨潤状態方法の提案に成功したといえる。 つづいてpNIPAmハイドロゲル微粒子の気/水界面への吸着現象の解明を行った。 各種ゲル微粒子の気液界面吸着能を、Wilhelmy法による表面張力測定から見積もったところ、主な構成要素が()内のゲル微粒子分散液の表面張力は、74mN/m (acrylamide)、44.8mN/m (NIPAm)、53.2mN/m (N-isopropylmethacrylamide (NIPMAm))となった。純水の表面張力が72mN/m (25℃)であることから、高分子・鎖の側鎖に親水部と疎水部を有する後者2つのゲル微粒ア分散液は、表面張力を低下させ、一方、側鎖に親水部を有するAAmから主に構成されるゲル微粒子分散液は、表面張力を低下させないということがわかった。よってゲル微粒子を構成する化学種の構造に注目すると、親水部と疎水部からなるモノマー由来の両親媒性の構造が、気液界面吸着に影響しているとわかる。以上は平成26年度へ継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度において、サブミクロンサイズのゲル微粒子の膨潤状態観察方法の提案を行い、論文提出中であること、また、粒子表面の極近傍に存在するpNIPAmのイソプロピル基が、気液界面の吸着現象に関与している事がわかってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
希薄なゲル微粒子分散液内のゲル微粒子が気液界面に吸着し薄膜を形成するという知見を基に、まず、今まで行ってきたpNIPAmのようなアクリルアミド誘導体に注目し、検討を行う。Wilhelmy法による表面張力測定から見積もった各種ゲル微粒子の気液界面吸着能を基に薄膜を作製し、その薄膜形成過程や得られた膜の構造を評価することで、気液界面吸着能と得られる薄膜との関係を明らかとする。
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Research Products
(3 results)