2014 Fiscal Year Annual Research Report
CAR陽性細胞を指標とした下垂体の幹細胞ニッチの解析
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13J10563
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
陳 默 明治大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 下垂体 / 幹細胞 / ニッチ / CAR |
Outline of Annual Research Achievements |
下垂体のホルモン産生細胞は、個体の生涯を通じてホルモンを全身に送るために維持される必要がある。一方、下垂体には未分化性を有した幹・前駆細胞が集まる場所(ニッチ)が明らかになりつつある。このニッチからの細胞供給は生涯行われるものであるが、その機序は未解明である。本研究は、下垂体の幹細胞ニッチにおけるCAR (Coxsackievirus and adenovirus receptor)の存在に注目し、CARの機能解析を通じて幹細胞ニッチの維持と細胞供給のメカニズムを分子レベルで解明することを目的としている。我々はマイクロダイセクションを用いて、MCLの細胞を切り出し、マイクロアレイの分析結果からMCL特異な高発現因子を網羅し、RT-PCRにより発生過程で発現変動を確認した上で、特異的な抗体の作製により免疫組織化学を用いて各遺伝子の局在解析を行う。特に、MCLの局在が維持されたCAR因子に注目し、株化細胞を用いて強制発現、機能阻害、または分化誘導により機能解析実験を行っている。その結果、下垂体の幹・前駆細胞は様々な転写因子やシグナル伝達因子の時空間的な発現により制御され、潜在的に分化能を持つ細胞のプールを維持しながら、ホルモン産生細胞の供給を担っている。その中に、CARは下垂体原基の形成する時期に、MCLを形成する細胞層のみに存在し、その後、生涯にわたってMCLに局在し、さらに、生後直後で顕著に増殖し、下垂体成長期に応じて実質層の幹細胞ニッチの形成に関わると考えられる。下垂体以外に、CARは多くの組織に共通して幹・前駆細胞に存在し、胚葉を超えて幹細胞ニッチに関わる可能性がある。以上の結果から、CARを指標として下垂体の幹・前駆細胞の特異な存在が検出でき、ホルモン産生細胞の供給や下垂体組織の再生などに応用できる知見が獲得され、生殖や再生医療など多くの分野への貢献となる意義がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] GFP-expressing S100β-positive cells of the rat anterior pituitary differentiate into hormone-producing cells.2014
Author(s)
Higuchi M, Kanno N, Yoshida S, Ueharu H, Chen M, Yako H, Shibuya S, Sekita M, Tsuda M, Mitsuishi H, Kato T, Kato Y
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Journal Title
Cell Tissue Res
Volume: 357
Pages: 767-779
Peer Reviewed
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[Journal Article] Characterization of murine pituitary-derived cell lines Tpit/F1, Tpit/E and TtT/GF.2014
Author(s)
Yoshida S, Higuchi M, Ueharu H, Nishimura N, Tsuda M, Yako H, Chen M, Mitsuishi H, Sano Y, Kato T, Kato Y
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Journal Title
J Reprod Dev
Volume: 60
Pages: 295-303
Peer Reviewed
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