2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規ミエリンミュータントで同定した原因遺伝子のミエリン形成・維持における役割解明
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13J10569
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田中 美有 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミエリン / オリゴデンドロサイト / ミエリン低形成 / 空胞形成 / 細胞内輸送 / 動物モデル / 病態解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. オリゴデンドロサイト(OL)の分化・成熟に関わる因子の動態:OLの分化・成熟において重要な因子に対するリアルタイムPCR法により、脊髄白質におけるOL前駆細胞(OPC)の動態を経時的に解析した。VFラットのOlig2 mRNA発現量は、10週齢で有意な上昇が、Nkx2.2 mRNA発現量は全週齢において低下傾向を示した。Olig2に強陽性を示すOPC数は、10週齢以降で明らかに増加した。以上の結果から、VFラットのOLの成熟異常が示唆され、ミエリン低形成やミエリン再生障害に関与すると考えられた。 2. OLにおけるDOPEY1発現:免疫染色により、脊髄白質におけるDOPEY1発現を経時的に解析した。その結果、いずれの週齢においても、DOPEY1がOPCと成熟OLの細胞質に強く発現していることが示され、またその局在はトランスゴルジネットワークと一致することが明らかとなった。DOPEY1とトランスゴルジネットワークとの共局在は、神経細胞においても認められた。 3. 中枢性ミエリン再生におけるDopey1の発現動態:臭化エチジウム投与により作製した実験的脱髄・再ミエリン化モデルを用いた。投与後5日(OPC動員)から、多数のOPCおよび少数のOLが病変部に出現し、OLは投与後14(OPC分化)、21(OL成熟とミエリン形成)日においてさらに増加した。これらの病変部に出現したOPC、OLは全てDOPEY1陽性であり、その染色強度は正常部位よりもやや増強していた。以上の結果より、ミエリン再生時において、Dopey1がOLの分化・成熟において重要な役割を担っている可能性が示された。 本研究によって、Dopey1がミエリン低形成に関わることを明らかにし、VFラットがミエリンの形成・維持・再生に関わるグリア細胞の役割を調べる上で非常に有用なモデル動物となることを示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)