2014 Fiscal Year Annual Research Report
冷却フランシウム原子による電子の永久電気双極子能率探索
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13J10612
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早水 友洋 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 永久電気双極子能率 / 原子分光 / ラムゼー共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー冷却フランシウム(Fr)原子を用いた次世代電子電気双極子能率(EDM)探索の実験技術確立に向けて、昨年度のトラップ技術の開発に続き、本年度は測定技術を確立するための研究を行った。電子EDMの測定上限値更新に必要な1 μHzの周波数測定精度を可能とするため、原子の精密分光法であるラムゼー共鳴の開発を行った。 Frと化学的性質が同じである安定な87Rb原子を冷却し、基底状態の超微細構造間F = 1 ~ F = 2に6.8 GHzのマイクロ波を照射することで、ラムゼーフリンジを観測した。ここでは、磁気光学トラップ(MOT)によって冷却・蓄積されたRb原子を、トラップ光と四重極磁場を切ることで解放し、この冷却原子集団にポンピング光を入射してF = 1の状態に原子を揃え、20 μsのマイクロ波パルスを時間間隔Tで2回照射した。そのうえで、マイクロ波の照射前後のF = 2の原子によるプローブ光の吸収強度を観測した。結果、T = 300 μsでのラムゼーフリンジの観測に成功するとともに、Tを長くすることでフリンジ間隔が細くなり、周波数の分解能が向上する様子が観測された。今後、前年度に開発を行った光双極子力トラップ(ODT)と組み合わせることでTを伸ばし、さらなる周波数分解能向上を目指す。 さらに2年間の開発を通じて得られたパラメータをもとに、210Fr原子をODTで捕獲しながらEDM測定を行った場合に生じると予測される系統誤差について定量的な計算を行った。この結果、この測定系における特徴的な問題として、ODTのレーザー光に起因するACシュタルクシフトの偏光の揺らぎと、捕獲された冷却原子同士の衝突シフトの不確かさが、実験の系統誤差に影響することを示した。 このように冷却原子を用いたEDM探索に必要な測定技術を開発し、様々な系統誤差を具体的に見積もることで、研究を大きく進展させた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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