2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10618
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
熱海 悠子 北里大学, 理学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲノム不安定性 / マイクロサテライト不安定性 / 染色体不安定性 / ミスマッチ修復 / DNA複製ストレス / ARF/p53経路 / 高変異導入 / がん |
Research Abstract |
加齢がリスク要因となるがんの発がん過程や、老化細胞の不死化過程では、ゲノム不安定性とARF/p53経路等への変異が特徴として認められる。ゲノム不安定性は染色体不安定性(CIN)型とマイクロサテライト不安定性(MSI)型の2種類に大別される。CINについては、DNA複製ストレスに起因することがこれまでに明らかになっている。一方で、ミスマッチ修復欠失下で認められるMSIについては不明な点が多い。これまで、MSIを示すがんは、ミスマッチ修復能の欠失に伴う高変異導入に起因してがん化すると考えられてきた。しかし、我々はinvitro実験で、ミスマッチ修復欠損のマウス胎仔腺維芽細胞(Msh2-KO MEFs)では、MSI誘導が増殖停止した老化細胞で誘導され、不死化することを、最近見出した(未発表)。このことから、MSI誘導とこれに伴う細胞の不死化はDNA複製過程におけるエラー修復能の欠失には無関係なことが予想される。そこで本年度は、Msh2-KOMEFsにおける不死化とMSIの誘導要因を明らかにすることを目的とした。まず、MSIが老化状態で誘導されることから、過剰な増殖刺激によって生じたDNA複製ストレスの影響を予想し、Msh2-KO MEFsの培養条件の増殖刺激を抑制(定期的な無血清処理)したところ、MSIが防御され、細胞は不死化しないことを見出した。また、既にMSIが生じている不死化Msh2-KO MEFsで、camptothecin (CPT)処理によりDNA複製ストレスを誘導すると、更なるMSI誘導が認められた。このことは、Msh2-KOMEFsの不死化とMSI誘導がDNA複製ストレスに起因することを示している。さらに、既に報告されているCIN誘導の要因とも一致していることから、DNA複製ストレス下におけるミスマッチ修復能の有無がCINとMSIの選択性に寄与することを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、Msh2-KO MEFsの不死化とMSI誘導の要因を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ミスマッチ修復欠失による高変異導入と不死化の関係、MSI誘導の分子機構を明確にするために、以下の実験を実施する。 1. Msh2-KO MEFsが不死化形質を獲得するまでの各増殖段階(初期の活発な増殖/老化に伴う増殖停止/不死化した後の増殖)における全エクソーム解析を実施し、不死化過程でどのような変異がいつ導入されているのかを明確にする。 2. DNA複製ストレス下で、MSIが誘導される過程においてどのような分子がマイクロサテライト領域にリクルートされているのか、Msh2野生型MEFとMsh2-KO MEFを比較し、特に相同組換え修復との関係に着目して解析を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The Arf/p53 protein module, which induces apoptosis, down-regulates histone H2AX to allow normal cells to survive in the presence of anti-cancer drugs.2013
Author(s)
Yuko Atsumi, Aki lnase, Eiji Sugihara, Ryo Sakasai, Hiroaki Fujimori, Hirobumi Teraoka, Hideyuki Saya, Masamoto Kanno, Fumio Tashiro, Hitoshi Nakagami, Mitsuko Masutani, Ken-ichi Yoshioka
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 288巻
Pages: 13269-13277
DOI
Peer Reviewed
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