2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10637
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 仁憲 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | 社会保障政策の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
進捗状況の概要を説明する。研究目的は、日本の高齢者の退職行動を説明するモデルを作成し、仮想的な制度変更がもたらす退職行動への影響を定量化することであった。昨年度は、申請者が使用するデータの整備作業を行い、モデルの作成、モデルの意思決定者が直面する外生のデータ生成プロセスの推定を行った。その詳細に関して、以下で説明を行う。 -追加データの整備-昨年度は自らの使用する新しい三回目のデータセットが公開された。申請者もこのデータセットの作成に他のリサーチアシスタントと共に関わった。異常値の除去等のデータのクリーニング作業に関わり、現在データが使用可能な状態になっている。 -外生のデータ生成プロセスの作成-新たな生存確率の推計を行った。前回までは、生存確率の推計には二年分のデータを使用していたが、三年目のデータを使用できるようになったため、三年目のデータを使用して生存確率の推計を行った。生存確率に関しては、以前使用したモデルで問題はないため、引き続き同じモデルを使用して推計を行っている。新たな健康の推移確率の推計を行った。前回までは、ある一定の幅に収まる年齢の人々は、前期の個人の健康状態を所与とすると、次の健康の推移確率が同一となること、そして固定効果を無視した推計を行っていた。今回は、個人の固定効果をコントロールし、なおかつデータが採られていない年はその前期の健康状態が次の年に確率1で実現するという仮定を置いた。その事により、データの採られていない年の推移確率を推定する。 -モデルの変更-データの特徴を基にモデルの変更を行った。主に変更点は、意思決定者の効用関数の労働の変数がもたらす不効用の発生の仕方を変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況の概要を説明する。研究目的は、日本の高齢者の退職行動を説明するモデルを作成し、仮想的な制度変更がもたらす退職行動への影響を定量化することであった。昨年度は、申請者が使用するデータの整備作業を行い、モデルの作成、モデルの意思決定者が直面する外生のデータ生成プロセスの推定を行ったため、初年度設定した目標をおおむね達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
-今後の実施内容- 新しいデータを用いて、先に述べたモデルの推定を行う。推定を行った後に仮想的な制度変更があった場合のシミュレーションの結果を提示する。モデル推定の際には、新たな賃金プロセスが必要になるためその推定を行い、最終的に効用関数のパラメータの推定を行う。推定方法には大きな変更点はなく、実際のデータとシミュレーションによって発生した労働参加の情報が出来るだけ一致するようにパラメータを探索する方法を採るが、その際にコーホートの調整を行う処理を施して推定を行う予定である。
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