2014 Fiscal Year Annual Research Report
人形浄瑠璃文楽における太閤記物作品の総合的調査・研究－１８世紀以降を中心に－
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13J10685
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| Research Institution | Tokyo Gakugei University |
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Principal Investigator |
原田 真澄 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(PD)
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2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 太閤記物 / 人形浄瑠璃 / 文楽 / 近世文学 / 古典芸能 / 百合稚高麗軍記 / 祇園祭礼信仰記 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、①「基礎資料の悉皆調査・整理・紹介」および、②「祇園祭礼信仰記」の作品研究、③太閤記物関連作品の上演史研究を予定していた。
まず、①「基礎資料の悉皆調査・整理・紹介」では、早稲田大学演劇博物館、大阪市立中央図書館、大阪文楽劇場図書室、国立国会図書館、アルベール・カーン博物館などにおいて人形浄瑠璃文楽を主とする古典芸能関連の資料調査を行った。また、異国征伐物である点で、太閤記物（特に朝鮮軍記物関連作）との関連がある浄瑠璃「百合稚高麗軍記」の翻刻を出版した。
②作品研究では、「祇園祭礼信仰記」を取り扱うことを予定していた。「祇園祭礼信仰記」の作品研究は滞りなく進められており、その成果は2015年6月に口頭発表で成果報告を行う。また、初年度において、当初の計画以上に研究の進展が早かったため、2015年度に行う予定であった博士論文の執筆を、2014年度中にすでに着手している。その博士論文の序章にあたる部分を口頭発表「「世界」という特質：太閤記物を中心に」（2014年10月17日、ストラスブール大学）で発表した。この研究発表は、すでに論文にまとめた上で仏語翻訳されており、2015年度中にフランスで出版される論文集に収録される予定である。
③太閤記物関連作品の上演史研究では、初年度に初演の上演史年表が完成していたため、2014年度は、年表のさらなる充実を目指した。
以上述べてきた様に、2014年度は①「基礎資料の悉皆調査・整理・紹介」 、②作品研究、③「太閤記物作品の上演史研究のいずれにおいても当初の予定を大きく超える進展があった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度において、当初の計画以上に研究の進展が早かったため、2015年度に行う予定であった博士論文の執筆を、2014年度中にすでに着手している。その博士論文の序章にあたる部分を口頭発表「「世界」という特質：太閤記物を中心に（(Sekai); dans ses particularites a travers les differentes productions autour du Taikoki）」（2014年10月17日、ストラスブール大学）で発表した。この研究発表は、すでに論文にまとめた上で仏語翻訳されており、2015年度中にフランスで出版される論文集に収録される予定である。
更に、太閤記物関連作品の上演史研究では、初年度に初演の上演史年表が完成していたため、2014年度は、年表のさらなる充実を目指した。具体的には、人形浄瑠璃の太閤記物関連作品の確認できる限りの再演も年表に記載している。この太閤記関連年表は、2015年度中に発表する予定である博士論文に収録する。
上記の様に、2013年度、2014年度と連続して当初の予定を大きく超える進展があった。初年度の研究が順調に進行していたために、当初の予定よりも早く研究とりまとめである博士論文の執筆に手をつけることができたのである。博士論文の全体の構想については、口頭発表「人形浄瑠璃における太閤記物の研究」（2014年12月11日、早稲田大学）において、すでに発表している。また、上演史研究も予定よりも細密な上演史年表の作成に取りかかるなど、研究の著しい進展がみられると言えよう。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在、予定以上に順調に研究計画が進んでいるため、太閤記物関連の浄瑠璃作品の研究については、2015年度で当初の予定以上の成果を期待できるだろう。今後は、太閤記物に限らず、例えば異国征伐物や、文化文政期以後の浄瑠璃史および浄瑠璃作品研究に着手していきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)
