Research Abstract |
深海採鉱機向け鉱床計測用リアルタイム画像採取処理装置の研究開発を研究課題としている。平成25年度には研究課題に関連して下記の研究を実施し, 極めて良好な結果を得た。 1. 画像採取処理装置の搭載方式の検討。陸地採掘機の画像採取処理装置は固定式で採鉱機の採掘作業のコントロールを行っていた。固定式の場合, 画像取得処理装置と採掘機の位置関係が既知量となるのため, 採掘機の位置制御は簡単で, 計算量も少なく, リアルタイム性が良い。しかし, 固定式方法では画像採取処理装置が採掘機に装着されているので, 採掘機の振動によるノイズの影響が大きい上で, 探知範囲の限界がある。自己回遊の分離式の場合, 採掘機と鉱床の位置取得のために計算量が多くなるが, 高速計算法により計算時間を縮短することが可能となり, 振動ノイズの影響が少なく高い精度ができる可能性が示された。 2. 深海で動作するため, 画像取得装置の構成部品類の性能の検討を行った。市販の水中カメラは, 深海採鉱操業のために開発されたものではない, 深海海底では撮影できない場合がある。そこで, 本研究は底泥の巻上げや照明の不均一さなどが与える影響をシミュレーションし, 部品から装置全体の構成まですべて再検討した。これらについて検討の上で, 新たな水中画像取得装置を試作し, より有効なイメージングモデルを完成させた。 3. 本年度は平成26年度に予定していた研究課題の一部も前倒しで実行した。上記のイメージングモデルにおける画質改善のため, 画質改善アルゴリズムを提案した。本提案方法では深海画像の特有な光の散乱や色の退化による劣化をスペクトル特性法, 重み付きトライラテラルフィルタ, 照明の照度不均一さを口径食除去法により改善する新たな画像改善モデルを考案した。この提案方法は, 深海の特徴, 地形, 浮遊物の影響などを考慮した構成となったため, 効率的に深海画像復元することができた。
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