2013 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞における新規小胞輸送遺伝子群の同定とその機能
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13J10718
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
菅原 めぐみ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 破骨細胞 / 小胞輸送 / リソソーム |
Research Abstract |
破骨細胞は極性をもち、且つリソソームシステムを細胞外に放出するユニークな細胞である。破骨細胞における小胞輸送を制御する遺伝子群の網羅的解析を試み、Rab27A遺伝子を同定した。この遺伝子に関して、RAW-D細胞を用いてRab27AのsiRNAを用いたノックダウン実験或いは、Over Expressionの実験系を用いて分子メカニズムを解析する。またRab27A遺伝子変異マウスを用いて、個体レベルでの骨代謝の異常を解析する。既に、Rab27Aをノックダウンすると、破骨細胞は細胞同士の融合が活発になっており、巨大化・多核化することが分かている。 本年度は、Rab27A遺伝子変異マウスによる細胞レベルでの解析を詳細に行った。野生型細胞とRab27A遺伝子変異マウス(Ashenマウス)の骨髄細胞を用いて、なぜRab27A遺伝子変異では破骨細胞が巨大化・多核化するのかの解析を行った。結果として、マクロファージから破骨細胞へ分化を制御するシグナルの増大や細胞表面における受容体レベルがAshenマウス由来の細胞で増加していることが認められた。またエンドソーム・リソソーム系のタンパク質に関しても、野生型とAshenマウス由来の細胞では、大きく変化しているタンパク質が認められた。従って、Ashenマウス由来の細胞では、エンドソーム・リソソーム系や細胞表面へタンパク質の輸送機構の異常により、細胞表面の受容体の量が変化し、そのために破骨細胞への分化シグナルが増幅するために、Rab27A遺伝子変異では破骨細胞が巨大化・多核化すると予想される。今後はさらにエンドソーム・リソソーム系の形態異常に関して解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2年目までに細胞レベルでの解析をほぼ終わらせる予定であった。実験もほぼ予定通り解析が行われた。残りの1年で個体レベルでの解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Rab27A遺伝子変異マウスによる個体レベルでの解析を詳細に行う予定である。つまり大腿骨などの骨量、骨密度などの骨代謝に関して正常マウスとRab27A遺伝子変異マウスを比較する予定である。必要であれば炎症を惹起し、炎症性骨代謝異常が起こるのかどうか検討を行う。
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