2015 Fiscal Year Annual Research Report
イトマキヒトデ卵母細胞MI停止解除時のmRNAポリA鎖伸長制御機構
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13J10787
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
越智 洋絵 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | mRNA / ポリA鎖伸長 / ウリジレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類培養細胞などでは mRNAの“短いポリA鎖”の末端がU化されることが報告されており、U化は“mRNA分解の目印”と考えられている。一方卵母細胞では“短いポリA鎖”をもつmRNAが貯蔵されており、時期特異的にそのポリA鎖が伸長され翻訳が活性化する。しかし卵におけるmRNAとU化との関係は全く明らかでなかった。そこで本研究ではこれに着目し「卵細胞のサイクリンB mRNAがU化されており、U化RNAは全体分解を受けずにポリA化すること」を明らかにしてきた。すなわち卵細胞のmRNA U化は“mRNA分解目印”とは異なる機能をもつ可能性があり、さらなる詳細の究明が必要だった。そこで本年度は次の2つの課題に取り組んだ。 【U化サイクリンB mRNAがポリA化される現象の詳細解明】ホルモン刺激前後の卵のサイクリンB mRNAの動態と配列の詳細を調べたところ「U化mRNAの3’末は数塩基の部分的な分解(トリミング)を受け、続いてポリA化が起きる」ことが明らかとなった。ただしトリミングを受けずにポリA化するものも約1/3存在しており、トリミングはポリA化の必須要素ではないと考えられる。 【卵細胞mRNA U化の網羅的解析】卵成熟過程におけるU化修飾の全体像を明らかにするため、次世代シークエンシング用のサンプル調整法の検討そしてシークエンシング解析を行った。ホルモン刺激前の卵のmRNA3'末端配列について解析したところ、U化されるmRNAは数百種類存在することが明らかとなった。 本研究ではU化mRNAには“分解経路”に加え、“翻訳へ利用される経路”が存在することを証明し、さらに網羅的解析によりその全体像の一端を明らかにすることに成功した。今後は3’末端トリミングの分子機構の解明や網羅的解析を進めることで、U化修飾の全体像を明らかにし、卵母細胞U化の生理学的意義の解明に迫ることが期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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