2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンカレントトレーニングが骨格筋及び心臓血管系に与える影響とそのメカニズムの解明
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13J10802
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
尾崎 隼朗 順天堂大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 持久性運動 / レジスタンス運動 / 筋疲労 / 筋力 / 乳酸閾値 / 血中乳酸蓄積開始点 / ランニング / 膝伸展運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、持久性運動の強度の違いがレジスタンス運動時のトレーニング量に与える影響にっいて検討することであった。 健康な若年男性6名を対象に実施した。被験者はまず、乳酸閾値(LT)・血中乳酸蓄積開始点(OBLA)及び最大酸素摂取量の決定のために、漸増負荷テストを実施した。その後、各被験者は以下の3条件での本実験を約1週間の期間を空けてそれぞれ実施した : ①コントロール(CON条件)、②LT強度でのランニング(LT条件)、③OBLA強度でのランニング(OBLA条件)。各運動強度でのランニング後にレジスタンス運動(膝伸展運動)時のトレーニング量(拳上回数×セット数)及び等尺性膝伸展筋力を評価した。膝伸展運動は最大拳上重量の70%の強度で3セット実施し、各セットにおける拳上回数を評価した。等尺性膝伸展筋力は運動前、運動直後、運動1時間後、運動4時間後、運動8時間後に測定した。 膝伸展運動の総拳上回数はCON条件(23.8±3.4回)とLT条件(23.7±7.0回)で違いは認められなかったが、OBLA条件(19.7±4.9回)ではCON条件に対して有意(p<0.05)に低下した。等尺性膝伸展筋力には時間と条件の主効果及びこれらの交互作用が認められた。LT条件では運動直後にCON条件に比べて筋力の低下がみられたが、運動1時間後にはCON条件と同等の値まで回復していた。一方、OBLA条件では運動直後にCON及びLT条件に比べて大きな筋力低下が認められ、運動8時間後においても両条件よりもその値は低いままであった。 若年男性を対象として、OBLA強度の持久性運動に続いてレジスタンス運動(膝伸展運動)を行った場合にはそのトレーニング量が有意に低下したが、LT強度での持久性運動はその後のレジスタンス運動のトレーニング量に大きな影響を与えない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究目的は、持久性運動の強度の違いがレジスタンス運動時のトレーニング量に与える影響について検討することであった。研究の結果、大方当初の仮説通り、OBLA強度の持久性運動に続いてレジスタンス運動(膝伸展運動)を行った場合にはトレーニング量が有意に低下したが、LT強度での持久性運動はその後のレジスタンス運動のトレーニング量に大きな影響を与えない可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、レジスタンストレーニングと持久性トレーニングを組み合わせたコンカレントトレーニングのより効率的な実施条件について、運動強度の観点から検討することである。昨年度の研究では持久性運動の強度の違いによってレジスタンス運動時のトレーニング量に違いが出ることを明らかとした。引き続き本年度の研究では、持久性運動の強度の違いがレジスタンス運動によって引き起こされる筋肥大に関連した細胞内シグナル伝達経路の活性化に与える影響について検討していく予定である。
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Research Products
(14 results)