2013 Fiscal Year Annual Research Report
空間選択性・配向性・長さが精密に制御された1次元ナノ材料の作製および応用展開
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13J10817
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡田 健司 大阪府立大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノチューブ / チタン酸 / 無機材料 / 機能性界面 / ゾルーゲル |
Research Abstract |
本年度は、様々な基板上に垂直に配向したチタン酸ナノチューブ(TNTs)ブラシの形成を行った。出発原料であるTiO_2薄膜をゾルーゲル法で作り、マイルドな条件での水熱処理によりTNTブラシ合成を行ったため、高温、強塩基に対して耐性が低いプラスチック、ガラス基板上へのTNTブラシ形成が可能となった。加えて、昨年度の方法を少し改良し、水熱合成時に、水溶液の量を減らし、原料である非晶質TiO_2薄膜のみを反応させ合成を行った。これら方法によりガラス、フレキシブルプラスチック基板、ゴム基板上へのTNTブラシの合成が可能となった。以上の結果により今後、導電性基板上にTNTブラシを形成することで、電子デバイスとしての応用展開が期待される。 また、本年度は、撥水処理したTNTブラシの吸着性制御に関する研究も行った。昨年度行った撥水処理したTNTブラシを用いた吸着性超撥水表面形成の研究において、本年度は、吸着性超撥水表面を示した要因を解明し、更なる機能性の付加に成功した。TNTは表面に多くの水酸基を持つことは知られていた。撥水処理後も水酸基が残存しており、この水酸基に大気中から水が吸着し吸着性発現に一役かっていた。このTNTに吸着した吸着水は、80℃で乖離するため、80℃以上で脱水した状態と、大気中で水和した状態で撥水処理TNTブラシは異なる吸着特性を示した(脱水時 : 低吸着力、水和時 : 高吸着力)。このように、材料の配向性制御に加えて、材料そのものが持つ機能性を利用することで、吸着応答性を示す超撥水基板形成に至った。TNTを用いたこのような濡れ性制御に関する研究は乏しく、今回の結果は、TNTを用いた機能性界面創出のための礎をなると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
合成条件を詳細に検討することで、ガラス、フレキシブルプラスチック、ゴムなど多彩な基板上ヘチタン酸ナノチューブブラシ形成に世界に先駆けて成功した。また、吸着性超撥水膜の吸着性、撥水性制御に関する研究では、チタン酸ナノチューブの配向性制御に加えて、チタン酸の特異な物性(水吸着性、光触媒活性)を効果的に利用することで、吸着性、撥水性をそれぞれ独立かつ可逆的に制御することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、TNTの配向性制御以外にも、長さ、空間選択制制御に力を入れていきたい。加えて、導電性基板、プラスチック基板上にTNTsを形成し、色素増感太陽電池の作製および高効率化を目指した研究および、電気化学測定を行い、TNTの配向性、長さ、空間選択性が電気化学特性に及ぼす影響を調べる予定である。
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Research Products
(9 results)