2014 Fiscal Year Annual Research Report
空間選択性・配向性・長さが精密に制御された1次元ナノ材料の作製および応用展開
Project/Area Number |
13J10817
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡田 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノチューブ / チタン酸 / 水酸化物 / 無機材料 / 機能性界面 / ゾル-ゲル / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、チタン酸ナノチューブ(TNTs)のマクロスケールでの構造制御を行った。TNTsは比表面積が大きく、イオン交換特性を示すため、セシウムイオンなどの有害カチオン回収のための材料として有望である。しかし、一般的にTNTsは、液体からの回収、再利用が困難な粉末形状で得られるため、ハンドリング可能かつ溶液拡散のためのマクロ孔を有するバルク体の形成が望まれる。当研究員はこれまで微小空間でのTNTsの成長促進および絡み合い現象を見出している。その現象を上手く利用し、高濃度前駆体溶液を用いることでTNTsを絡み合わせバルク体の形成に至った。この時、TNTsの成長速度がバルク内で異なり、1μm以下の連続的なマクロ孔の形成が可能となった。通常マクロ孔の形成にはポリマーなどの添加物を鋳型として用いる必要があるが、今回の方法では鋳型を用いずともマクロ孔の形成が可能となる。また、合成条件を制御することにより、マクロ孔の大きさ、細孔体積を変化させることが可能である。得られた試料は、マクロ孔による溶液拡散また、TNTsによる優れたイオン交換特性を示すため、回収・再利用可能なイオン交換体として大いに期待出来ることを見いだした。得られた試料は、密でマクロ孔の無いTNTバルク体よりも、速いイオン交換速度、また大きなイオン交換容量を示した。そのイオン交換容量は市販のイオン交換材料に匹敵する値を示した。そのため、今回得られた試料は、セシウムイオン等の有害イオンの吸着材料として有望である。また、今回の結果は、バルク体TNTsのイオン交換特性にマクロ孔が影響することを示しており、今後、マクロ孔を制御することで、TNTsを用いたリチウムイオンバッテリーの特性向上が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
合成条件を詳細に検討することで、マクロ孔を有するチタン酸ナノチューブバルク体形成に世界に先駆けて成功した。さらに、得られた試料が優れたイオン交換特性を示した。以上の成果は、本研究目的である1次元水酸化物ナノ材料の空間選択制の制御により機能性向上を報告した結果であり、目的が達成されたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの配向性、空間選択制の制御の知見を基に、1次元ナノ材料の精密な構造制御を行い、リチウムイオンバッテリー、太陽電池などの高効率化を目指した応用研究を行う予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Positioning of the HKUST-1 metal–organic framework (Cu3(BTC)2) through conversion from insoluble Cu-based precursors2015
Author(s)
T. Toyao, K. Liang, K. Okada, R. Ricco, M. J Styles, Y. Tokudome, Y. Horiuchi, A. Hill, M. Takahashi, M. Matsuoka, P. Falcaro
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Journal Title
Inorganic Chemistry Frontiers
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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