2014 Fiscal Year Annual Research Report
テストの構造的性質が能力評価に及ぼす影響のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
13J10832
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安永 和央 東京大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会科テスト / 国語読解テスト / 中学生 / 記述式問題 / 得点率 / 識別力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,①社会科テストの設問設定が能力評価に及ぼす影響の検討,②国語読解テストにおける回答欄の字数制限が能力評価に及ぼす影響に関する予備調査,の2点を行った。 ①については,社会科テストを用いて,3つの設問設定を行った。具体的に,設問ⅠはA:設問中に法隆寺の図があるもの,B:図がないもの,設問ⅡはA:回答の際の資料となる表や図に関する会話文があるもの,B:会話文がないもの,設問ⅢはA:水産業がかかえる問題について問うもの,B: 水産業が将来直面するであろう問題について問うものを設定した。中学3年生408名が受検し,回答時間は30分であった。その結果,設問ⅠではA条件とB条件ともに中程度の得点率であり,両条件に差が見られなかった。識別力に関しても,両条件には差が認められなかった。設問ⅡではA条件とB条件ともに低い得点率となり,両条件に差が見られなかった。識別力に関しても,条件間の差は認められなかった。設問Ⅲでは,A条件の方がB条件より高い得点率となったが,回答内容を検討すると,A条件よりB条件の方が,評価基準で回答として求められている内容を回答する受検者が多く観測された。識別力に関しては,条件間の差はほとんど見られなかった。 ②については,国語テストを用いて予備調査を行った。本研究では,3つの設問の回答欄を設定した。具体的に,設問Ⅰ はA:「九十字以内で書きなさい」,B:字数制限なし,設問ⅡはA:「四十五字以内で書きなさい」,B:字数制限なし,設問ⅢはA:「七字で抜き出しなさい」,B:字数制限なしを設定した。中学3年生31名が受検し,回答時間は中学生45分であった。その結果,設問ⅠではB条件の方がA条件よりも高い得点率となった。設問ⅡにおいてもB条件の方がA条件よりも高い得点率となった。設問Ⅲでは,これまでとは逆の結果となり,A条件の方がB条件よりも高い得点率となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた社会科テストの実施において,設問中の図の有無,会話文の有無,特定の文言の有無が能力評価に及ぼす影響に関する知見を得ることができたため。また,昨年度検討した国語読解テストにおける回答欄の設定に関する課題に対し,新たな国語読解テストを作成し,その予備調査を行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した②の本調査を中学3年生約600名に実施したので,今後は回答の採点と分析を行い,回答欄の字数制限の有無の違いが能力評価に及ぼす影響に関して,より詳細に検討する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Psychometric properties of the Repetitive Behavior Scale-Revised for individuals with autism spectrum disorder in Japan2015
Author(s)
Inada, N., Ito, H., Yasunaga, K., Kuroda, M., Iwanaga, R., Hagiwara, T., Tani, I., Yukihiro, R., Uchiyama, T., Ogasahara, K., Hara, K., Inoue, M., Murakami, T., Someki, F., Nakamura, K., Sugiyama, T., Uchida, H., Ichikawa, H., Kawakubo, Y., Kano, Y., & Tsujii, M.
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Journal Title
Research in Autism Spectrum Disorders
Volume: 15-16
Pages: 60-68
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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